生田衣梨奈、モーニング娘。’25リーダーとしての軌跡:卒業が語る濃密な思い出とプロデュース能力の光

2025年春、「モーニング娘。’25 コンサートツアー春 Mighty Magic DX~生田衣梨奈を見送って~」をもって、モーニング娘。およびハロー!プロジェクトを卒業した生田衣梨奈。彼女の卒業を記念した連載最終回では、リーダーとして過ごした2024年から卒業までの濃密な日々が語られました。特に注目すべきは、その天才的なプロデュース能力が光る「モーニング娘。’25のメンバーをそれぞれプロデュースするなら?」という質問への回答。メンバーへの心温まるメッセージと共に、その軌跡を深く掘り下げます。

2024年のハロー!プロジェクトコンサートと共演グループとの絆

2024年のハロー!プロジェクトコンサートは、つばきファクトリー、BEYOOOOONDSとの3マン形式で行われ、生田衣梨奈は両グループとの共演を心から楽しんだと語ります。特にBEYOOOOONDSについては、「自分の中でグループはこうありたいな、こうあるべきだなと思う存在」と深い敬意を示し、ハロコン期間中はBEYOOOOONDSの楽屋に入り浸るほど親交を深めていたことを明かしました。

一方、つばきファクトリーにはハロー!プロジェクトへの強い愛情を持つメンバーが多いという印象を持ち、「ハロプロの歴史や先輩一人一人のことをすごく好きでいてくれる子が多いから、自然と距離感も近くなっていった」と言います。具体的な質問やプライベートな相談を受けることもあり、それが彼女にとって大きな喜びだったようです。現在のメンバーでは、谷本安美、小野田紗栞、小野瑞歩と話す機会が多いと語っています。

モーニング娘。'25卒業を控えた生田衣梨奈のリーダーとしての表情モーニング娘。'25卒業を控えた生田衣梨奈のリーダーとしての表情

石田亜佑美卒業発表がもたらした小田さくらの変化

同年には、モーニング娘。のメンバーである石田亜佑美の卒業が発表されました。この出来事が、メンバーである小田さくらの雰囲気に大きな変化をもたらしたと、生田は印象深く振り返ります。生田の視点から見ると、小田はメンバーが卒業していく度に、その思いを引き継ぎ、「自分はこれからこうしていかないといけない」と深く考えるタイプだと言います。石田の卒業発表以降、小田が新たな役割を模索している様子が感じられたとのことです。

ノンノ増刊号カバーへの歓喜とモデルの夢

2024年には、モーニング娘。’25としてファッション雑誌『ノンノ』の増刊号カバーを初めて飾るという快挙を達成しました。生田はこれに対し、「めちゃくちゃうれしかったです!」と率直な喜びを表明。メンバー全員が可愛らしく素敵に撮影されたことに加え、個人的にもファッション誌が大好きで、デビュー前は福岡のモデル事務所に所属するほどモデルになることを夢見ていたため、この出来事は本当に光栄だったと述べています。中面では1ページものソロカットも掲載され、興奮が止まらなかったと言います。身長が高いわけではないものの、スタッフから「洋服が似合う」と褒められたことも、彼女の喜びを一層深めたエピソードとして語られました。

夢の始球式、福岡PayPayドームでのノーバン投球

7月には、地元福岡のみずほPayPayドームで行われた福岡ソフトバンクホークス対オリックス・バファローズ戦のセレモニアルピッチに登場し、見事なノーバン投球を披露して話題となりました。生田は「すごく頑張って準備したので筋肉痛がやばかったです(笑)」と裏話を明かしつつ、いつか始球式で自身の運動能力を試したいという長年の夢が叶ったことへの喜びを語りました。このイベントの投球者がまだ未定だった頃、マネージャーから日々「生田ってボール投げられる?」「野球とかに興味ある?」と質問され、「……おや?」と感じたというコミカルなエピソードも披露。当日はホークスのスタッフの温かい対応に助けられ、ノーバン投球を大いに褒められたと言います。緊張のあまり投球時の記憶はほとんどないものの、地元福岡でこのような大きな仕事ができたことへの喜びとやりがいを強く感じたとのこと。ファン以外の方々からも称賛されたことで、練習や研究に励んだ甲斐があったと実感したと語りました。

ハロー!プロジェクトコンサートでのつばきファクトリーやBEYOOOOONDSとの交流を語る生田衣梨奈ハロー!プロジェクトコンサートでのつばきファクトリーやBEYOOOOONDSとの交流を語る生田衣梨奈

『THE FIRST TAKE』初出演の舞台裏と反響

11月には、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』にモーニング娘。として初出演を果たしました。長年のファンとしてこのコンテンツを視聴していた生田は、出演決定の報に「めーちゃくちゃうれしかったです!」と興奮を隠せなかった様子。リーダーとなってから多くの「初めて」の嬉しい出来事に恵まれたと改めて感じたと言います。これまでもグループで歌唱動画を多く出してきましたが、『THE FIRST TAKE』という外部の大きな媒体でパフォーマンスできたことは、非常に貴重な経験だったと振り返りました。喜びの気持ちをスタッフにも熱心にアピールした一方で、本番では尋常ではない緊張に襲われたことも告白。立ち位置が決まっていて、大きく動かずに歌うという形式も新鮮だったと語ります。選曲は番組側のリクエストにより、広く知られる『恋愛レボリューション21』と、比較的新しい楽曲『Wake-up Call~目覚めるとき~』が選ばれました。これにより、現在のモーニング娘。としての魅力を多角的に発信できたことに感謝の意を表しています。出演後の反響は絶大で、周囲からの声はもちろん、これをきっかけに新たにファンになってくれた人々も現れたことから、人気コンテンツの持つ影響力の大きさを改めて実感したとのことです。

『最KIYOU』ダンスプラクティス動画に見るリーダーのアイデア

少し遡りますが、モーニング娘。の『最KIYOU』ダンスプラクティス動画で、懐かしい「名乗り形式」の挨拶から始まるシーンが話題となりました。このアイデアが生田衣梨奈によるものだったと明かされました。彼女は、「やっぱりモーニング娘。のダンスプラクティス動画といえば、これだろう」と考え、メンバーがそれぞれ名前を言って挨拶するところから始めてもよいか上層部に相談したところ、採用されたと言います。練習中に名前のゼッケンをつけていないため、モーニング娘。を知らない人には誰が誰なのか分かりにくいかもしれないという視聴者への配慮があったと説明。また、名前を言って挨拶するのはグループの日常的なルーティーンであるため、その自然な空気感が視聴者に伝わればという思いも込められていたとのことです。

パワフルなダンススタイルと自己評価

『最KIYOU』の楽曲はパワフルなダンスが特徴で、その中で生田衣梨奈の存在感が際立っていたという印象があります。彼女もこの曲では周囲から褒められることが多かったと実感しているようです。生田は「男の子っぽいパワフルなダンスのほうが得意なので、曲調的に自分に合っていたのも大きかった」と自己分析。女性らしい振り付けのパートを任されることも多い一方で、自身としてはダボダボのジャージを着て男性的なダンスをするのが最も「しっくりくる」と語り、自身のダンススタイルへの深い理解を示しました。

結びに:リーダー生田衣梨奈が示した貢献と未来への期待

生田衣梨奈は、モーニング娘。’25のリーダーとして、多岐にわたる活動と経験を通じてグループの発展に貢献してきました。ハロー!プロジェクト他グループとの交流から、ファッション誌のカバー、プロ野球の始球式、そして『THE FIRST TAKE』への出演まで、彼女のリーダーシップと存在感は、グループに新たな機会と注目をもたらしました。特に、細部にまで気を配るプロデュース能力と、ファンやメディアへのサービス精神は、まさに現代のアイドルリーダー像を体現していたと言えるでしょう。

彼女が示した「名乗り形式」の挨拶など、伝統を大切にしつつも常に新鮮な視点を取り入れる柔軟な発想は、モーニング娘。の魅力をさらに引き出し、多くの人々に届けたことでしょう。卒業は一つの区切りですが、生田衣梨奈がモーニング娘。に残した確かな足跡と、彼女自身の未来に広がる可能性に、私たちは大きな期待を寄せざるを得ません。


参考文献: