実家の片付け、どうする?ゴミ屋敷化を防ぐための親子コミュニケーションと対策

年末の大掃除シーズン。普段は目を背けていても、ふと実家のことが頭をよぎる方も多いのではないでしょうか。「いつかやらなきゃ…」と思いつつ、なかなか重い腰が上がらない「実家の片付け」。親が高齢になるにつれ、モノで溢れかえった実家が心配の種になっている方もいるでしょう。今回は、ゴミ屋敷・不用品回収のプロ、株式会社イーブイの二見文直氏(YouTube「イーブイ片付けチャンネル」運営)の実例を交えながら、実家の片付け問題の解決策を探ります。

積み重なる歴史とモノ:実家の片付け問題の実態

実家の片付け問題は、大きく分けていくつかのパターンがあります。代表的なのは、代々受け継がれてきたモノが溢れかえっているケース。地方の広いお屋敷などに多く見られます。

大阪府郊外の住宅街。築150年の瓦屋根の屋敷は、一見何の問題もないように見えます。しかし、一歩敷地内に足を踏み入れると、納屋がゴミやモノで埋め尽くされている光景が目に飛び込んできます。

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土間のある母屋も例外ではなく、台所や和室はモノであふれていました。90代の住人男性は、20年前にこの家に戻ってきたとのこと。両親もここで生涯を過ごしたそうで、4世代分の歴史とモノが積み重なっている状態です。

ゴミ屋敷化の要因と解決への一歩

このような「実家問題」は、なぜ発生するのでしょうか? 加齢による体力や気力の低下、モノへの執着、そして「いつか使うかもしれない」という思いが主な原因と言えるでしょう。「もったいない」という気持ちも理解できますが、結果的に家がゴミ屋敷化してしまうと、生活の質が低下するだけでなく、火災などの危険も伴います。

専門家である二見氏は、「親子のコミュニケーションが重要」と指摘します。「頭ごなしに片付けるよう促すのではなく、まずは親の気持ちに耳を傾けることが大切です」と語っています。例えば、思い出の品は一緒に整理し、写真に収めてデジタル化することで、モノへの執着を和らげることができるかもしれません。

また、「片付けられない」背景には、認知症や精神的な問題が隠れている可能性もあります。専門家の意見を聞きながら、適切な対応策を見つけることが重要です。

プロの視点:実家の片付けをスムーズに進めるコツ

株式会社イーブイでは、様々な状況の「実家の片付け」をサポートしています。二見氏によると、スムーズな片付けには以下のポイントが重要とのこと。

現状把握と目標設定

まずは、どの程度の片付けが必要なのかを把握しましょう。必要な範囲を明確にし、現実的な目標を設定することが大切です。

親との話し合いと合意形成

親の意見を尊重し、一緒に片付け計画を立てることが重要です。無理強いは禁物です。

専門業者への相談

自分たちだけで片付けるのが難しい場合は、専門業者に相談しましょう。経験豊富な業者は、状況に合わせた適切なプランを提案してくれます。

未来のための「実家の片付け」:安心と快適な生活空間を

実家の片付けは、親だけでなく、子供世代にとっても大きな課題です。しかし、適切な対策を講じることで、ゴミ屋敷化を防ぎ、親が安心して暮らせる快適な空間を作ることができます。早めの対策とコミュニケーションを心がけ、未来のための「実家の片付け」に取り組みましょう。