ソフトバンクグループの孫正義会長が、AI半導体チップ開発とデータセンター構築に本格参入し、「第二のエヌビディア」を目指すと報じられています。壮大な構想と巨額投資計画の全貌に迫ります。
孫氏のAI戦略:半導体設計からデータセンター構築まで
孫会長は、ARMホールディングスが開発したAIチップを2024年下半期に量産開始、2026年には米国、欧州、アジア、中東などにデータセンターを設置する計画です。ブルームバーグによると、孫会長はAIチップ生産での優位性を確信し、「オーダーメイド型AIチップ」実現に向け、惜しみない投資を行う覚悟とのこと。まさに「第二のエヌビディア」創出に執念を燃やしていると言えるでしょう。
alt
ソフトバンクは2024年5月にARMにAIチップ専門の事業部を新設。試作品を2025年に発売、早ければ下半期に量産開始予定です。TSMCを生産パートナーとして想定しているようですが、技術支援や生産規模によっては、サムスン電子なども候補に挙がっています。
巨額ファンド「プロジェクトイザナギ」始動
さらに、超高性能AIチップ開発のため、1000億ドル規模のファンド「プロジェクトイザナギ」も推進中。イザナギは日本神話に登場する創造神であり、孫会長の壮大なビジョンを象徴しているかのようです。この投資計画は、トランプ次期大統領との会談でも発表されました。
インテル買収の可能性も?
孫会長は半導体設計だけでなく、生産まで自社で行うことに強い関心を持っているとされ、ブルームバーグによれば、2024年初頭、ARMがインテルの一部事業買収を提案したとのこと。
当時、インテルのゲルシンガーCEOはこの提案を拒否しましたが、彼の退任により、今後の売却協議が再燃する可能性も囁かれています。今後の動向に注目が集まります。
オープンAIとの協業で盤石の体制構築へ
オープンAIのアルトマンCEOとの連携も視野に入れ、AIチップ開発での協業も計画しています。オープンAIという大口顧客を確保することで、市場参入における優位性を築く狙いがあると見られます。
alt
エヌビディアがAIチップ市場で圧倒的な地位を築いている現状ですが、需要の増大に伴い、エヌビディアだけでは供給が追い付かなくなる可能性があると孫会長は予測。ここに新たなビジネスチャンスを見出しているのです。
孫正義氏の挑戦、AI業界の未来を左右するか
孫正義氏のAIチップ開発への本格参入は、AI業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めています。今後の展開に期待が高まります。