ユン大統領の拘束令状を執行　公邸の200m手前まで迫るも断念　合同捜査本部「事実上不可能だ」

韓国での「非常戒厳」宣言をめぐって、合同捜査本部はきょう、尹錫悦大統領に対する拘束令状を執行しました。公邸にはおよそ100人の捜査員が突入したものの、安全上の理由などから、身柄の拘束を断念しました。ソウルから中継でお伝えします。

韓国・ソウルです。大統領公邸に近いこの場所では尹氏の支持者たちの集会が開かれていて、身柄拘束失敗の知らせが届くと、歓声が上がっていました。

「非常戒厳」宣言について捜査する高位公職者犯罪捜査庁などの合同捜査本部が尹大統領に対する拘束令状を執行したのは、午前8時ごろのことでした。午前9時ごろの映像では、公邸の入り口で進入を防ぐようにバスが止められています。捜査員が警護担当者ともめているような様子やバスと車両の間をすり抜けて公邸に向かって走っていく様子も確認できます。

突入した捜査員はおよそ100人。公邸の建物の200メートル手前まで迫ったものの、大統領警護庁の担当者や兵士200人あまりが壁となって、行く手を阻んだということです。

そして、執行から5時間半。長い膠着の末に、高位公職者犯罪捜査庁は現場の安全が懸念されるとして、「拘束令状の執行は事実上不可能だ」と判断し、執行の中止を発表しました。尹大統領に直接会うこともできなかったということで、公邸に続く道を下る捜査員らの姿がみられました。

公邸周辺に集まったおよそ4000人の大統領の支持者からは喜びの声が聞かれました。

大統領支持者
「愛国者としてはとても良かったと拍手をしたい」
「（令状執行は）法律違反だと思う。尹大統領は最後まで大統領の座を守ってほしい」

ただ、高位公職者犯罪捜査庁は「今後の措置は検討する」と説明しています。公邸を守った大統領警護庁のトップらを公務妨害で捜査するとプレッシャーをかけていて、令状の期限の今月6日までに、改めて執行に乗り出す可能性があります。