不正を許さない、その強い信念を胸に、法学者・上脇博之氏は日々、政治資金問題の告発状を作成し続けています。この記事では、上脇氏の活動内容や、その活動の裏側にある情熱、そして視力低下という困難を抱えながらも活動を続ける氏の執念に迫ります。
政治資金問題を追及する日常
上脇氏の朝は早く、6時か7時には起床し、メールチェックから始まります。朝食後はパソコンに向かい、告発に必要な情報を収集することに集中。昼食と夕食の時間以外は、夜0時過ぎまで調査を続けるというハードスケジュールです。大学で講義がある日も、講義を終えて帰宅後すぐにパソコンに向かいます。
alt="上脇博之氏がパソコンに向かっているイメージ"
インターネットで公開されている政治資金収支報告書をチェックするのが主な作業ですが、情報が不足している場合は、関係者のSNSやスクープ報道なども証拠として活用します。地道な調査と分析を積み重ね、不正の証拠を掴んでいくのです。
裏金問題への告発と社会への影響
2022年11月、上脇氏は自民党5派閥を、政治資金パーティーの収入明細不記載を理由に刑事告発しました。これは「しんぶん赤旗」の日曜版による地道な調査報道がきっかけとなりました。1年後には「朝日新聞」もこの問題を報道し、「裏金問題」として大きな注目を集めることに。その後、取材や講演依頼が殺到し、多忙な日々を送ることになったといいます。
alt="政治資金収支報告書のイメージ"
上脇氏は、限られた時間と労力を有効に使うため、権力を持つ政治家を優先的にチェックしています。報道機関も大臣らの「政治とカネ」問題を報道してきましたが、上脇氏の活動は、市民による監視の重要性を改めて示すものと言えるでしょう。
病と闘いながら活動を続ける執念
上脇氏は黄斑変性症という目の病気を患っており、左目の視力が低下し、ものが歪んで見えるといいます。収支報告書の数字をチェックする際にも、3と8の判別が難しい時があるそうです。右目でパソコンを凝視するため、ひどい肩こりにも悩まされているとのこと。
しかし、このような困難な状況にも関わらず、上脇氏は告発活動を続けています。その原動力となっているのは、記者たちが苦労して得た情報を無駄にしたくないという強い思いです。「しんぶん赤旗」の記者から調査結果を提供されたことで、一連の裏金問題の告発に繋がったように、上脇氏の活動は多くの人の協力によって支えられています。
上脇氏の活動は、政治の透明性を高め、公正な社会を実現するために不可欠なものです。困難な状況下でも活動を続ける氏の執念は、私たちに多くのことを考えさせてくれます。