韓国政局:共に民主党、尹大統領逮捕状執行白紙化で崔相穆氏を「内乱行為」と非難

韓国の政局は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の逮捕状執行が白紙になったことを受けて、再び緊迫の度を増しています。進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、崔相穆(チェ・サンムク)大統領代行が警護処に尹大統領の逮捕状執行に協力するよう指示を出さなかったことを「内乱行為」と強く非難し、告発を検討する考えを示しました。

共に民主党、崔相穆氏への告発を検討

李代表は6日、国会で開かれた最高委員会議で、「崔相穆代行の内乱行為について責任を問うべきだ」と発言。崔代行の行動は、国家の秩序を乱すものだと断じ、法的措置も視野に入れていることを明らかにしました。この発言は、野党側の強い反発を象徴するものと言えるでしょう。

altalt共に民主党の李在明代表。国会での最高委員会議にて(写真:朝鮮日報日本語版)

共に民主党は、これまでにも韓悳洙(ハン・ドクス)首相代行を憲法裁判官の任命保留を理由に弾劾訴追するなど、強硬な姿勢を見せてきました。今回の崔代行への告発検討も、その一環と言えるでしょう。

弾劾の連鎖:韓国政局の不安定化

民主党議員からは、崔代行の弾劾に加え、尹大統領の逮捕に失敗した呉東運(オ・ドンウン)高位公職者犯罪捜査処(公捜処)長についても弾劾の可能性が示唆されています。 まるで気に入らない相手を次々と告発・弾劾していくかのような民主党の姿勢に、韓国政界は揺れています。

韓国政治評論家のキム・ヨンチョル氏は、「度重なる弾劾訴追は、韓国の政治システムの安定性を揺るがす可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

altalt国会の様子。政治の混乱が続いている。

戒厳令以降、韓国経済は不安定な状況に置かれています。「代行の代行」体制となったことで、先行きはさらに不透明感を増しています。このような状況下で、更なる告発や弾劾が行われれば、国家運営に深刻な支障が出ることは避けられないでしょう。

共に民主党の真意:大統領選挙への影響は?

共に民主党は、李代表自身に対する裁判結果が出る前に、尹大統領を弾劾して大統領選挙を実現させることに焦点を当てているように見えます。しかし、政治には「限度」というものがあるはずです。弾劾という強力な手段を乱用することは、民主主義の根幹を揺るがす危険性があります。

政治アナリストのイ・スンヒョン氏は、「共に民主党の強硬姿勢は、国民の反発を招き、最終的には党勢衰退につながる可能性もある」と指摘しています。

韓国政治の混迷は、今後ますます深まることが予想されます。共に民主党の今後の動向、そして尹大統領の対応に、国内外から注目が集まっています。