ベテラン脚本家による作品が居並ぶ秋ドラマの中で、新鋭・安藤奎が脚本を書く火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系、火曜22時)の評判がとてもいい。
【写真】“モラハラ男”でもかわいげがある竹内涼真の「爽やかすぎるビジュ」
無料配信動画サービス・TVerとTBS FREEでの初回総再生回数がTBS火曜ドラマの歴代1位を記録。365万回を突破した。これは日曜劇場『VIVANT』に並ぶ過去最高ペースの再生回数だという。
安藤は劇団アンパサンド主宰で2025年岸田國士戯曲賞(演劇界の芥川賞と言われている)を受賞している。
これぞ下剋上か、と煽りたいところだが、ドラマのムードはそんなふうにいきり立ったものではまったくなく、きわめてほのぼのしている。むしろそこが多くの視聴者をつかんでいるのだと思う。
■原作が未完なのもドラマの求心力の1つ
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』――略して『じゃあつく』あるいは『あんたが』は、恋と料理のドラマ。原作は、谷口菜津子による人気漫画だ。
主人公・海老原勝男(竹内涼真)は同棲生活を送っていた山岸鮎美(夏帆)にある日突然、別れを切り出される。
勝男はジェンダーバイアスの持ち主で、なにかにつけ鮎美の言動を縛ってきた。自分ではうまくいっていると思い込み、いよいよ結婚を考えていた勝男は突然の別離宣言に激しく落胆する。
傷心を癒やそうと、鮎美が作っていた料理を自分で作りはじめ、それをきっかけに自身を見つめ直していく。
一方、鮎美はとっとと新たな恋人ミナト(青木柚)と付き合いはじめる。自由奔放なミナトとの交際をきっかけに、彼女自身が勝男に気に入られるために自我を抑えてきたことを自覚する。
期せずしてそれぞれの考え方を見直すことになった勝男と鮎美。変化の過程で改めてお互いのことを考えたとき、はたして2人は元サヤに戻ることができるのか。
第5話、鮎美と勝男が久しぶりにキッチンに並んで立って、とり天を一緒に作るシーンを見た時点で、これは絶対に元サヤありと思うが、原作は未完で結論は出ていない。原作未完でどういう終わり方になるかわからないところもドラマの求心力の1つであろう。
■第1話放送後、にわかにSNSが沸いた






