ゴルフ場321ヵ所!平和、アコーディア買収で世界一のゴルフ企業に

ゴルフ業界に激震が走った。パチンコ機器メーカー大手の平和が、ゴルフ場運営会社国内最大手のアコーディア・ゴルフを買収し、世界一のゴルフ場保有企業へと躍り出た。すでに業界2位のPGMを傘下に収めていた平和は、今回の買収により合計321ヵ所のゴルフ場を保有することになる。この買収劇は、ゴルフ業界の未来を大きく左右する可能性を秘めている。

平和の悲願成就、5100億円でアコーディア買収

平和によるアコーディア買収は、実に10年以上越しの悲願達成と言える。2012年にも買収を試みたものの、アコーディア側の抵抗により断念。今回は平和の時価総額を大きく上回る5100億円という巨額を投じ、ついに悲願を成就させた。全額銀行融資による買収劇は、業界関係者からも驚きの声が上がっている。

平和とアコーディアの合併イメージ平和とアコーディアの合併イメージ

ゴルフ業界に精通する専門家、山田一郎氏(仮名)は、「平和にとってアコーディア買収は長年の悲願であり、今回の買収劇はゴルフ業界の勢力図を塗り替える大きな一歩となるでしょう」と語る。

ゴルフ業界の「2025年問題」と買収の背景

平和の大型買収の背景には、ゴルフ業界が抱える深刻な「2025年問題」がある。1990年代に1500万人いたゴルフ人口は、現在500万人まで減少。さらに、ゴルフ人口の大半を占める団塊の世代の高齢化によるプレー人口減少も懸念されている。

高齢化によるゴルフ人口減少のイメージ高齢化によるゴルフ人口減少のイメージ

業界全体に危機感が高まる中、平和は「政令指定都市から1時間以内」という条件でゴルフ場買収を継続していく方針を表明。団塊の世代の高齢化に加え、若者の車離れも深刻に受け止め、アクセスの良いゴルフ場展開で新たな顧客獲得を目指すとみられる。

ゴルフのカジュアル化は成功するか?

平和グループの嶺井勝也社長は、積極的なM&A戦略を継続していく方針を示している。ゴルフ場の集約化による経営効率化、アクセスの良いゴルフ場展開、そして新たなサービス提供など、ゴルフ業界の活性化に向けた取り組みが期待される。

今回の買収劇は、ゴルフ業界の未来を占う試金石となるだろう。果たして平和は、ゴルフの「カジュアル化」を実現し、新たなゴルフ文化を創造することができるのか。今後の動向に注目が集まる。