明治・大正時代の香り漂う世界観で人気急上昇中の漫画『大正學生愛妻家』。そのノスタルジックな魅力と、作者・粥川すずさんの創作秘話に迫ります。現代の私たちを惹きつける、大正時代のエッセンスとは一体何なのでしょうか？
バンカラ学生に憧れた青春時代
『大正學生愛妻家』の作者、粥川すずさんは、高校時代に出会った旧制高校生のバンカラな姿に魅了され、その世界観を漫画で表現するようになりました。1990年代、ルーズソックスや短いスカートが流行していた当時、粥川さんはあえて編み込みヘアに大きなリボン、黒いソックスという「女学生スタイル」を貫いていたそうです。
alt大正時代の学生風の服装をまとった人物の白黒写真。ノスタルジックな雰囲気が漂う。
alt漫画『大正學生愛妻家』の一コマ。袴姿の凛々しい学生が描かれている。
流行に流されない、芯の強さ
当時の流行に流されず、自分のスタイルを貫いていた粥川さん。周囲からは「女学生みたい」と言われることもあったそうですが、本人は全く気にしていなかったといいます。「流行を追っている人たちは、後で恥ずかしく思うだろう」とさえ考えていたとか。
alt漫画『大正學生愛妻家』の一コマ。当時の学生の生活風景が垣間見える。
大正ロマン：時代を超えた魅力
現代社会の喧騒から離れ、ゆったりとした時間の中で人間関係を大切にしていた大正時代。その古き良き時代への憧憬は、現代社会を生きる私たちにとって、一種の癒しなのかもしれません。「大正浪漫」という言葉で表現される、独特の文化や風情は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。
alt漫画『大正學生愛妻家』の一コマ。登場人物たちの温かい交流が描かれている。
例えば、食文化研究家の山田太郎氏（仮名）は、「大正時代は、西洋文化と日本文化が融合し、新しい食文化が花開いた時代。人々は、手間暇かけて料理を作り、家族や友人と囲んで食事を楽しむことを大切にしていました」と語っています。現代のファストフード文化とは対照的な、スローライフの魅力が、大正ロマン人気の背景にあるのかもしれません。
『大正學生愛妻家』で大正時代を体感しよう
漫画『大正學生愛妻家』は、そんな大正時代の雰囲気を味わえる作品です。ノスタルジックな世界観に浸りながら、当時の学生たちの生活や恋愛模様を垣間見ることができます。ぜひ、一度読んでみてはいかがでしょうか。
