参議院議員の青山繁晴氏は14日、東京・有楽町での参院選自民党候補の応援演説において、自民・公明両党の獲得議席予測について「最前線でいる感覚でいうと30台だ」と発言し、強い危機感を表明しました。これは、石破茂首相(自民総裁)が目標とする非改選議席を含む参院過半数(125議席)維持に必要な50議席を大きく下回る数字であり、与党にとって厳しい選挙戦が展開されている現状を示唆しています。
聴衆不在が示す「抗議の意思表示」:増税への有権者の不満
青山繁晴・自民党大阪府連会長は、選挙情勢について「日ごと、自民党の票は減っている。首相と閣僚が回るたびに減っている」と危機感を示しました。府内での演説に聴衆がいないこともあったと明かし、「プロテスト、抗議の意思表示だろう。増税だけやって減税がない国なんて国家ではない」と、政府の増税政策への強い不満が背景にあると強調。青山氏の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」所属の現職応援に際し、有権者から「今の政権を認めてしまうのでは」と迷いの声が寄せられていると紹介しました。
参院選の自民党ポスターで、石破茂首相の顔写真が候補者のビラによって隠されている様子
参院過半数維持の瀬戸際:「30台」予測とメディアとの乖離
青山氏は、有権者の迷いを「安定政権を作れる状況ではない」と一蹴。「自公で50議席を割れば、非改選議席と合わせて参院の過半数を失う」と警鐘を鳴らしました。メディア予測が「40半ば」とする中、青山氏自身の肌感覚では「自公で30台だ」と、より厳しい見通しを示唆。無所属議員の補填や連立の組み替えも「悪あがきの段階」と断じ、与党の求心力低下と有権者の不信感が深刻であることを浮き彫りにしました。
「真の改革派」増加への期待と秋の衆院解散の可能性
青山氏は、この厳しい状況打開には「自民党の中で本当の改革派を増やす以外ない」と、党内の保守系議員の強化を主張。さらに、与党が参院選で大敗した場合、「秋の衆院解散・総選挙の可能性はものすごく高くなる」と予測し、選挙結果が石破政権の命運を左右すると指摘しました。応援する現職議員の当選が「6年間の時間を生み、新しい政権フェーズに進める」とし、「悩んでいるときは終わった」と有権者に具体的な行動を促しました。
今回の参院選は、単なる議席争いを超え、石破政権への国民の信任を問う重要な機会です。青山氏の厳しい議席予測は、与党が直面する現実と政治情勢の不確実性を浮き彫りにしています。選挙結果は日本の政治の方向性を決定づけるだけでなく、内閣の安定や衆院解散の時期にも影響を及ぼすため、有権者の選択が今後の「新しい政権のフェーズ」をいかに形作るか注目されます。