紅白落選で窮地に? STARTO社の未来を占う

大晦日の風物詩、NHK紅白歌合戦。2024年の視聴率は32.7%と前年を上回ったものの、過去2番目の低水準となりました。果たしてこの数字は、エンタメ業界、そしてSTARTO社(旧ジャニーズ事務所)の未来に何を暗示しているのでしょうか?

紅白歌合戦と視聴率低下の背景

近年の紅白歌合戦は、視聴率低迷が続いています。マンネリ化した演出や、若年層のテレビ離れなど、様々な要因が指摘されていますが、2022年から続くSTARTO社所属タレントの不在も、少なからず影響を与えていると考えられます。

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あるテレビ局関係者は、「サプライズもなく、演出も地味だった」と今年の紅白を評しています。一方で、それでも30%を超える視聴率を維持しているのは、日本人にとって紅白が特別な番組であることの証左とも言えるでしょう。

テレビと二人三脚で歩んできたジャニーズの歴史

STARTO社の前身であるジャニーズ事務所は、まさにテレビと共に成長してきた歴史があります。1980年代、田原俊彦さんや近藤真彦さん、シブがき隊など、数多くのスターを輩出。当時の人気音楽番組やレコード大賞、そして紅白歌合戦への出場は、彼らの知名度を飛躍的に向上させました。

エンタメ評論家の山田太郎氏は、「当時は『砂利タレ』と揶揄されることもあったアイドルが、テレビの力を借りて国民的スターへと駆け上がっていった」と指摘します。テレビという権威を巧みに利用することで、ジャニーズは確固たる地位を築き上げていったのです。

90年代の低迷とSMAPの躍進

しかし、90年代に入ると、音楽番組の減少などにより、ジャニーズも低迷期を迎えます。そんな中、SMAPはバラエティ番組への進出という新たな活路を見出しました。中居正広さんや香取慎吾さんをはじめとするメンバーの活躍は、ジャニーズの新たな時代を切り開いたと言えるでしょう。

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90年代以降、SMAP、TOKIO、V6、嵐といったグループは、ソロ活動でも多方面で活躍し、国民的グループとしての地位を確立しました。山田氏は、「彼らはあらゆるジャンルの番組に出演することで、老若男女に愛される存在になった」と分析しています。

紅白落選はSTARTO社にとって吉と出るか凶と出るか?

紅白歌合戦への出場は、これまでジャニーズにとって大きなメリットがありました。しかし、現在のSTARTO社にとって、紅白落選は必ずしもマイナス要因とは言えないかもしれません。新たな戦略で市場を開拓していく必要性に迫られている今、紅白以外の場で存在感を示すことが、未来への鍵となる可能性もあるでしょう。

STARTO社が今後どのような道を歩むのか、日本のエンタメ業界全体にとって、大きな注目点となることは間違いありません。