独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が計画する管理職の報酬削減は、2030年までに総額3億ユーロ超に上る見通しだ。人事担当取締役が、VWが工場を置く北西部ニーダーザクセン州ブラウンシュバイク(Braunschweig)の地元紙に明らかにした。経済紙ハンデルスブラットによると、報酬削減案は8日に取締役会に提示される。
管理職の報酬を巡っては昨年12月下旬、ボーナスを大幅にカットする方針が報じられていた。取締役会に提示する案は、26年5月に支給するボーナスから段階的な削減を開始し、29年分まで継続する内容。平均で年収は8%減少するという。ドイツ国内の管理職約4,000人が対象になる。
人事担当取締役は、取締役会メンバーの報酬もカットする方向で進んでいると明かし、削減幅は従業員よりも大きくなると付け加えた。
VWは年間で40億ユーロ超の経費削減を目指している。うち15億ユーロは賃金カットで達成する方針だ。昨年12月に終結した金属産業労働組合IGメタルとの団体交渉では、30年までにドイツの従業員約13万人のうち、3万5,000人超を削減することで合意に至っている。[労務]