中国で「ヒトメタニューモウイルス(HMPV)」の感染が拡大し、不安が広がっています。聞き慣れないウイルスですが、一体どのような感染症なのでしょうか?この記事では、HMPVの特徴、症状、春節に伴う感染拡大のリスク、そして各国の対応について詳しく解説します。
ヒトメタニューモウイルス(HMPV)とは?
HMPVは、2001年にオランダの研究グループが発見した呼吸器ウイルスです。実は以前から存在していたウイルスで、風邪やインフルエンザに似た症状を引き起こします。通常は軽症で済むことが多いですが、乳幼児、高齢者、免疫力が低下している方にとっては、肺炎などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。
中国の病院で患者が待合室で待っている様子
感染経路は飛沫感染や接触感染が考えられ、咳、発熱、鼻づまり、倦怠感などの症状が現れます。潜伏期間は3〜6日程度です。残念ながら、新型コロナウイルスとは異なり、HMPVに対するワクチンや特効薬はまだ開発されていません。そのため、対症療法が中心となります。
春節の大移動による感染拡大リスク
中国では、1月下旬から始まる春節(旧正月)の連休期間中に、過去最多となる延べ90億人の大移動が見込まれています。帰省や旅行などで多くの人々が移動することで、HMPVの感染がさらに拡大する懸念が高まっています。国営新華社通信によると、鉄道の利用者は延べ5億1000万人、航空機の利用者は延べ9000万人と予想され、いずれも昨年を上回る見込みです。
各国の対応と中国政府の見解
WHO(世界保健機関)はHMPVの感染拡大を認識しつつも、「感染者の規模はこの時期に想定される範囲内」としています。中国政府も「医療システムは逼迫していない」とWHOに報告しています。中国外務省の毛寧報道官は、「呼吸器感染症は冬季にピークを迎える傾向がある」とし、現状は深刻ではないとの見解を示しました。
しかし、カンボジアや台湾では、HMPVの感染リスクについて国民に注意喚起を行っています。インド当局は冷静な対応を求めていますが、近隣諸国は引き続き警戒を強めています。
専門家の意見
感染症専門医の山田先生(仮名)は、「HMPVは新規のウイルスではなく、致死率も低いものの、油断は禁物です。特に乳幼児や高齢者などは重症化リスクが高いため、基本的な感染対策を徹底することが重要です」と警鐘を鳴らしています。手洗い、うがい、マスクの着用など、私たち一人ひとりができることから始めましょう。
まとめ
HMPVは、乳幼児や高齢者を中心に注意が必要な呼吸器ウイルスです。春節の大移動によって感染がさらに拡大する可能性があるため、引き続き最新情報に注意し、適切な感染対策を心がけましょう。
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