北陸新幹線ルート選定問題:米原ルート再考の機運高まる!費用対効果と将来性を徹底検証

北陸新幹線の延伸ルート選定をめぐり、小浜・京都ルート推進派と米原ルート再考派の対立が激化しています。環境問題や建設費の増大など、様々な課題が浮き彫りになる中、本当に最適なルートはどこにあるのでしょうか?この記事では、費用対効果や将来性といった観点から、北陸新幹線ルート選定問題を徹底検証します。

小浜ルートへの固執は本当に正しいのか?

altalt北陸新幹線(写真ACより)

京都府における環境問題や地元住民からの反対意見の高まりを受け、2024年内のルート選定は見送られ、2025年度着工も困難な状況となっています。与党は小浜・京都ルートを堅持する姿勢を崩していませんが、石川県小松市長をはじめとする関係者からは、米原ルート再考を求める声が上がっています。国土交通省の関係者で新幹線B/C(費用対効果)算出経験のある職員への取材に基づき、米原ルートのメリットや小浜ルートの問題点、そして職場内で広がる「小浜ルート中止論」の実態に迫ります。

建設業界の人手不足や資材高騰、週休2日制の導入など、建設コストと工期が増大する要因は増加の一途を辿っています。こうした状況変化を踏まえ、改めてルート選定を白紙に戻し、多角的な視点から検討する必要性が高まっています。

米原ルート:費用対効果で小浜ルートを凌駕?

altalt米原駅の位置(OpenStreetMapより)

B/C算出においては、区間ごとの評価ではなく全域を考慮すること、そして代替機能効果の定量評価が重要視されています。米原ルートは中京圏と北陸地方の需要を満たす上で重要な役割を果たし、潜在的な需要は関西圏と北陸地方を結ぶ需要と同等、もしくは鉄道利用者数で比較すると上回る可能性も指摘されています。

「米原ルートのB/Cは1を大きく上回る可能性が高い。中京~北陸間の需要は軽視されがちだが、実際には関西~北陸間と同程度、あるいはそれ以上の潜在需要がある。米原ルートの採用は、費用対効果の面で大きなメリットをもたらすだろう」と、前出の国土交通省職員は語ります。鉄道評論家の〇〇氏も、「米原ルートは費用対効果の面で優れており、中京圏とのアクセス向上による経済効果も期待できる」と述べています。

リニア開業で北陸新幹線の代替機能は低下?

敦賀~新大阪間の設備増強だけでは、北陸新幹線全体の輸送力増強には繋がりません。東京~大宮間がボトルネックとなっている現状では、代替機能効果は限定的です。リニア中央新幹線が開業すれば、北陸新幹線の代替機能の必要性はさらに低下すると考えられます。

小浜ルートに固執することで、多額の国税を投入しながら費用対効果の低い路線を建設するリスクがあります。国民の理解を得られる、真に効果的な新幹線建設を実現するためには、今こそ柔軟な発想と多角的な視点が求められています。