免税制度を悪用した転売ヤーの巧妙な手口と、その深刻化する実態について、詳しく解説します。入手困難なグッズからブランド品まで、あらゆる商品がターゲットとなり、私たちの生活にも影響を及ぼし始めています。一体、何が起こっているのでしょうか?
免税制度を悪用した転売の実態
西新宿で目撃された、ハイエースを使った奇妙な取引。ライターの奥窪優木氏は、これを免税品転売ヤーの買い付け現場だと指摘します。外国人観光客向けの免税制度を悪用し、買い子を使って商品を大量購入、その後国内外で転売するという手口です。100万円分の商品を購入すれば、10万円もの利益が生まれるというのです。
alt
会計検査院の調査によると、2022年度には不正に免税制度を利用した9人が合計33億円分もの商品を購入したとのこと。政府は対策として、出国時に免税品と購入者を確認する「リファンド型」への制度移行を検討していますが、転売ヤーはこれを先読みし、活動を活発化させているようです。
キャラクターグッズもターゲットに
中国のSNSで発見された「免税代理購入 実働5時間」という募集投稿。その実態を追跡すると、百貨店で限定販売されていたサンリオのキャラクターグッズが、免税制度を利用してあっという間に買い占められ、路上で仕分けされている現場に遭遇しました。
alt
子供たちに人気のキャラクターグッズまでもが転売の対象となり、本当に欲しい人の手に届かないという現状は、大きな問題と言えるでしょう。
過当競争と法を逸脱した行為
転売ヤー業界は今、過当競争の時代に突入しています。以前は一部の人間の問題でしたが、一般の人までもが転売ヤーに転身するケースも出てきています。
競争激化により、従来の転売では利益を確保することが難しくなり、法を逸脱した行為に手を染める転売ヤーも増加しているとのこと。特に外国人グループによる越境転売は、無免許で海外送金を行う「地下銀行業者」と繋がっているケースもあり、犯罪収益や脱税されたお金が転売品に姿を変えて海外に送金されている可能性も指摘されています。これは国税や警察にとっても追跡が困難な問題です。
転売問題の深刻化と今後の対策
転売ヤー問題は、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしています。欲しい商品が手に入らないだけでなく、市場価格の高騰や偽造品の流通など、様々な問題を引き起こしています。
今後の対策としては、免税制度の見直しだけでなく、より厳格な法規制や監視体制の強化、そして消費者一人ひとりが転売問題について意識を高めることが重要です。転売ヤーの巧妙な手口に対抗するためには、社会全体で協力していく必要があると言えるでしょう。