今年は各国の自国内での半導体生産工場(ファブ)建設が活発だが、韓国にはわずか1件の新規ファブだけ建設されることが明らかになった。半導体主権確保競争で韓国が遅れをとるのではないかとの懸念が出ている。
国際半導体装備材料協会(SEMI)が12日に明らかにしたところによると、今年は半導体需要増加を受け世界で18件の新規半導体ファブ建設プロジェクトが始まる。米国と日本は今年それぞれ4カ所に半導体ファブを作る。米国は自国に半導体生産拠点を誘致するための莫大な補助金を前に出して投資を誘致し、インテルやマイクロンのような自国企業だけでなく、台湾TSMCと韓国サムスン電子も米国内に工場を作る。
日本では今年TSMCの2番目の工場が着工される。熊本県にあるTSMC第1工場は昨年12月に稼動を始めた。日本政府は第1・第2工場の建設に向け総額1兆2000億円を支援する。第1工場は旧型(レガシー)半導体を生産するが、2027年を稼動目標とする第2工場では6~7ナノ級の先端半導体を生産する予定だ。
これに対し韓国の予定された新規ファブは3月に着工が予定される竜仁(ヨンイン)半導体クラスター内のSKハイニックスファブの1カ所だけだ。中国の3カ所、台湾の2カ所より少なく、東南アジアの1カ所と同じだ。シンガポールにはマイクロンが70億ドル(約1兆1000億円)を投資してHBM工場を作る予定だ。
各国が半導体供給網確保に出ているが、韓国の政策対応は不足しているとの指摘が出る。世宗(セジョン)大学経営学科のキム・テジョン教授は「基本技術は米国、部品は日本、生産は韓国と台湾という半導体業界の均衡が崩れている。韓国が半導体生産の主導権を失わないよう政府の支援が切実だ」と話した。