振り袖やスーツ姿の若者が街を賑わせた1月13日の成人の日。この日は全国各地で成人式があり、首長による挨拶が行われた場所も多かったが、そこに姿がなかった市長が――。
それは、昨年12月24日、自身の女性問題をめぐって、大阪府岸和田市の市議会から不信任決議を受けたことで、市議会の解散に踏み切っていた永野耕平市長(46)。
さかのぼること昨年11月28日、大阪府内に住む女性の代理人弁護士が会見を開き、女性が’19年に政治活動で知り合った永野氏から継続的に性的関係を強要されたとして、’22年6月に約2280万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴していたことを明かした。その後、’24年11月14日付で永野氏が解決金500万円を支払い、女性に謝罪することで和解が成立したことを報告。
和解調書では、永野氏に関して、「女性の就職や雇用維持を左右し得る優越的な立場にあった」と指摘。永野氏が公人で配偶者がいるという点については、「性的関係を持つのは自制すべきだったとの非難を免れない」とも指摘されていた。
いっぽうの永野氏は11月28日にXで、“性加害はなかった”との旨を投稿し、《裁判内容は、第三者に開示が許されない決定により、当事者も秘匿することになっており、内容については世間の皆さまにお伝えすることは差し控えさせていただきます》とコメント。同日、各メディアの取材に対しても、「まったく非はないです」などとし、問題は“解決済み”と主張していた。
以降、永野氏が和解内容を明らかにすることはなかったが、12月6日の会見では一部を公開し、「これまで自分には非がないと説明させていただいておりましたが、刑事責任がない、損害賠償責任がないという意味でした。すべてにおいて非がないわけではなく、私は数年前から、一定期間、一般女性と不適切な関係、不倫関係にありました」と説明。12月8日には、所属先の地域政党・大阪維新の会に提出していた離党届が受理されている。
市議からの追及も受けるなか、同月9日に開いた議会で、永野氏は「自分が不貞行為をしていたことが原因ですので、申し訳ないと思っております」と釈明しつつ、市長の辞職は否定。ただ、12月20日の本会議で不信任決議案が可決され、その4日後に永野氏は市議会解散に踏み切った。
さらに、永野氏は議会解散を受け、“前代未聞”の会見を開く。
「会見には、なぜか永野氏の妻が同席。永野氏の妻は『事実ではないこともたくさん出回っているので事実を伝えたいと思いここに着ました』『(性加害が)ないのに、あるように報道されて辛い日々でした』などとコメント。永野氏に対する思いを問われると、『変わらず家族の一員です』と話し、『(市長職を)続けていってほしい』とも述べていました。是非はともかくとして、不倫問題をめぐる首長の会見に妻が同席するのは異例でしょう」(社会部記者)
なお、各社報道によると、女性の代理人弁護士は12月26日、女性が「市長が単なる不貞行為にすり替えようとしていることについて、非常に憤っている」と永野氏の主張に反論しているとする書面を公開している。
そんななか迎えた今年1月13日。全国各地の成人式では、新成人たちを前に、各地の首長たちが祝辞を述べたが、岸和田市の「南海浪切ホール」で行われた祝典に永野氏の姿はなかった。
そこで本誌は翌14日、永野市長が成人式の出席を取りやめたのかを市の担当者に問い合わせると、以下のような回答があった。
「相談したうえで、出席しないという結果になりました。色々なことで混乱をする可能性もあって、新成人の参加される方にご迷惑がかかってはいけないので」
さらに、担当者はこうも続けた。
「警察の方からも新成人の方が怪我するようなことがあったらいけないと指摘をいただいたりもしていました。そういうことも含めて、色々考えたうえで参加しないという方向になりました」
永野氏は、2月2日投開票予定の市議選後、再び不信任決議が可決され、失職した場合は“出直し選”に臨む意向を示している。