防衛省は、最新鋭ステルス戦闘機F-35B「ライトニングII」の導入について、アメリカからの納入が遅れていることを明らかにしました。当初、2025年3月末までに最初の6機が日本に到着する予定でしたが、2025年4月以降にずれ込む見込みです。 この遅延は、日本の防衛力強化にどのような影響を与えるのでしょうか?
F-35Bとは?短距離離陸・垂直着陸が可能なステルス戦闘機
F-35Bは、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)が可能なステルス戦闘機です。この特徴により、空母や強襲揚陸艦など、滑走路が短い艦船からの運用が可能になります。航空自衛隊が運用を担当し、宮崎県の新田原基地への配備が計画されています。
F-35B戦闘機が護衛艦「かが」の艦上で運用試験を行っている様子
導入遅延の影響:飛行隊新編は予定通りも、機体なしでスタート?
防衛省は、2025年3月末に「臨時F-35B飛行隊(仮称)」を新設する計画を進めていました。当初は、発足と同時に6機のF-35Bが配備される予定でしたが、納入の遅れにより、当面は人員のみの状態で運用される可能性が高くなっています。
航空自衛隊の元パイロット、佐藤氏(仮名)は、「機体なしでの飛行隊発足は、パイロットの訓練や戦術構築に遅れを生じさせる可能性がある」と懸念を示しています。しかし、防衛省は「シミュレーターなどを活用し、訓練を進めていく」としています。
F-35Bと日本の防衛戦略:南西諸島防衛の要となるか?
日本は、F-35Bを合計42機導入する計画です。新田原基地には最終的に2個飛行隊が配置される予定で、1個飛行隊は約20機で構成されると予想されています。
F-35Bは、「いずも」型護衛艦の空母化改修後、同艦に搭載される予定です。「いずも」と「かが」の2隻にF-35Bを搭載することで、南西諸島周辺の防衛力強化が期待されています。しかし、今回の導入遅延が、この計画に影響を与える可能性も否定できません。
F-35B戦闘機
まとめ:今後の動向に注目
F-35Bの導入遅延は、日本の防衛力強化に少なからず影響を与える可能性があります。今後の納入状況や、飛行隊の運用計画など、引き続き注視していく必要があります。 防衛専門家の田中氏(仮名)は、「F-35Bは、日本の防衛戦略において重要な役割を担うことになる。導入遅延の影響を最小限に抑え、早期に戦力化することが重要だ」と指摘しています。