兵庫県知事疑惑:百条委員会で元副知事の主張に専門家から異議

兵庫県知事、斎藤元彦氏をめぐる一連の疑惑に関する百条委員会の審議は、再選後もなお続いている。県議会では、亡くなった元局長の告発文への県側の対応の正当性について、熱い議論が交わされている。

斎藤知事側近の証言と食い違い

知事の側近とされる“牛タン倶楽部”のメンバーを含め、県要職に就いていた人物への証人尋問が行われている。しかし、知事と元幹部らの証言には食い違いが見られ、真相解明への道のりは遠い。

兵庫県知事 斎藤元彦氏兵庫県知事 斎藤元彦氏

そんな中、注目を集めているのが、斎藤知事の側近中の側近とされていた片山安孝元副知事だ。昨年12月25日の百条委員会に出席した片山氏は、自身に関する報道の偏向性を主張し、メディアへの批判を展開。「知事や副知事が悪いという前提に立った報道ばかりだ」と非難し、BPOへの申し立ても示唆するなど、強気の姿勢を見せた。

告発文への対応の正当性

百条委員会の主要議題の一つは、告発文を書いた元局長への処遇が正当だったか否か。参考人として出席した専門家は、「通報者の探索など、調査結果が出る前の不利益な扱いは許されない」と指摘した。

これに反論したのが片山氏だ。公益通報者保護法に関する解説書を手に、「この本によると外部通報には適用されないと書いてある。専門家でも意見が分かれている」と主張した。

解説書の共著者から異議申し立て

しかし、この片山氏の主張に対し、当の解説書の共著者である中野真弁護士は、「片山氏が示した法解釈は誤りです」と反論。公益通報者保護法の誤った解釈が広まることを懸念し、兵庫県議会に発言の訂正を申し入れた。

百条委員会の様子百条委員会の様子

片山氏の代理人にこの件について見解を求めたが、「県議会への回答前であるため、取材には応じかねます」との回答だった。

週刊文春で詳報

週刊文春電子版(1月15日配信)および週刊文春(1月16日発売)では、片山氏の弁明、斎藤知事陣営がmerchu社にSNS監修を依頼していたことを示すLINEなど、斎藤知事にまつわる疑惑を詳しく報じている。今後の展開が注目される。