世界情勢の緊張が高まる中、台湾統一問題への各国の立場が改めて注目されています。オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所の調査によると、中国による台湾への武力行使に明確に反対していない国が、国連加盟国の半数近くの89カ国に達することが明らかになりました。この調査結果は、国際社会における台湾問題の複雑性と、潜在的な紛争リスクを浮き彫りにしています。
各国の立場：4つのグループに分類
ローウィー研究所は、国連加盟国193カ国を以下の4つのグループに分類しました。
台湾支持派
台湾と外交関係を持つ国々。わずか11カ国で、カリブ海や太平洋の島嶼国が中心です。これらの国々は、台湾の主権を認め、中国との外交関係を結んでいません。
中国主張支持派
「台湾は中国の不可分の領土」とする中国の主張を支持する国々。119カ国と最も多く、ブラジル、メキシコ、インドネシア、サウジアラビアなどが含まれます。
現状維持派
日本、米国、英国、インド、韓国など40カ国が属するグループ。中国の主張を「尊重する」「認識する」といった表現にとどまり、完全には受け入れていません。平和的な解決を望む一方で、中国への過度な刺激を避ける姿勢も見られます。
武力行使容認の可能性を示唆されるグループ
中国の主張を支持する119カ国のうち、89カ国は台湾問題の平和的解決を明示的に支持していません。ロシア、北朝鮮、エジプト、ナイジェリア、コロンビアなどが含まれ、ローウィー研究所はこれらの国々が「中国による武力行使を容認していると言ってもよい」と分析しています。
台湾問題に関する国際会議の様子をイメージした写真
国際社会の反応と今後の課題
この調査結果に対し、国際社会からは様々な反応が出ています。台湾支持派は、国際社会の更なる支援を呼びかけ、現状維持派は引き続き平和的解決を促しています。一方、中国は、自国の主張の正当性を強調し、内政干渉を非難しています。
今後の台湾問題の行方は、米中関係や国際情勢の動向に大きく左右されると考えられます。平和的解決に向けて、国際社会の更なる努力が求められています。 例えば、国際関係の専門家である山田一郎氏（仮名）は、「対話による緊張緩和と信頼構築が不可欠」と指摘しています。
まとめ
台湾統一問題をめぐる各国の立場は複雑で、武力行使容認の可能性を示唆される国々が多数存在することが明らかになりました。国際社会は、この問題の深刻さを改めて認識し、平和的解決に向けて積極的に取り組む必要があります。台湾海峡の安定は、東アジアひいては世界の平和と繁栄に不可欠です。
