インド海軍は2024年2月15日、通常型潜水艦「バグシール」、ミサイル駆逐艦「スラト」、フリゲート艦「ニルギリ」の3隻の軍艦を就役させました。インド洋における中国のプレゼンス拡大や、長年の宿敵パキスタンへの警戒感を背景に、海軍力の増強を図る狙いがあります。
海洋大国への道:インド国産艦艇の就役
今回の就役式典は、インド西部のムンバイで行われ、モディ首相も出席しました。3隻はいずれもインド国内で建造され、「バグシール」はフランスの造船企業との共同生産となっています。この国産艦艇の就役は、インドの艦艇建造能力の高さを世界に示す機会となりました。
インド首相モディ氏が出席した就役式典の様子
中国の海洋進出に対抗:インドの安全保障戦略
インド洋における中国の軍事プレゼンス拡大は、インドにとって大きな脅威となっています。中国海軍は、港湾施設の建設や艦艇の派遣を通じて、インド洋における影響力を強めており、インドの安全保障に懸念をもたらしています。今回の軍艦就役は、こうした中国の動きに対抗し、インド洋における勢力均衡を維持するための重要な一歩と言えるでしょう。防衛専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「インド海軍の近代化は、中国の海洋進出に対抗するために不可欠です。今回の就役は、インドの安全保障戦略における重要なマイルストーンとなるでしょう」と述べています。
通常型潜水艦「バグシール」:静粛性と攻撃力
「バグシール」は、フランスの造船企業との共同生産による通常型潜水艦です。高度な静粛性と強力な攻撃力を備え、インド海軍の潜水艦戦力を大幅に向上させると期待されています。インド海軍にとって、潜水艦は敵対勢力の艦艇に対する抑止力として重要な役割を担っており、「バグシール」の就役は、インドの海洋防衛能力を強化する上で大きな意義を持ちます。
ミサイル駆逐艦「スラト」とフリゲート艦「ニルギリ」:多様な任務に対応
「スラト」は、最新のミサイル駆逐艦であり、対空・対艦ミサイルや対潜兵器など、多様な兵器システムを搭載しています。また、「ニルギリ」は、汎用性の高いフリゲート艦であり、哨戒任務や護衛任務など、様々な任務に対応可能です。これらの艦艇の就役により、インド海軍はより広範な任務を遂行できるようになり、海洋におけるプレゼンスをさらに強化することができます。
今後のインド海軍:更なる近代化を目指す
インド海軍は、今後も艦艇の近代化を進め、海洋における防衛能力の向上に努めていく方針です。中国の海洋進出やパキスタンの軍事力増強といった安全保障上の課題に対処するため、インド海軍は更なる強化を図っていくことが予想されます。