フードデリバリーサービスの利用が当たり前になった昨今、ウーバーイーツ配達員という働き方も一般的になってきました。自由な働き方が魅力のこの仕事ですが、実は配達員を阻む様々な「壁」が存在するのです。今回は、現役配達員が実際に体験した「越えられない壁」について、詳しく解説していきます。
時間の壁:12時間稼働の制限
ウーバーイーツ配達員は、安全上の理由から12時間以上連続で稼働することができません。6時間以上の休憩を挟むことが義務付けられています。これは、長時間労働による疲労が交通事故に繋がるリスクを軽減するための重要なルールです。 年末年始など注文が殺到する時期でも、休憩時間を考慮すると実質的な稼働時間は13時間程度が限界となります。
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休憩時間をどこに挟むかが、効率よく稼ぐための鍵となります。注文の多い時間帯や少ない時間帯は地域や季節によって異なるため、配達員は常に12時間の壁を意識しながら戦略的に稼働する必要があります。例えば、フードデリバリー業界専門家の山田太郎氏(仮名)は、「ピークタイム以外の時間に休憩を挟むことで、稼働時間を最大限に活用できる」とアドバイスしています。
距離の壁:都内自転車配達員の5kmの壁
都内では配達員の数が多いため、自転車配達員に割り当てられる配達距離は比較的短い傾向にあります。多くの場合、依頼場所から商品受け取り先の店舗、そして配達先までの合計距離は3km以内、早朝や深夜でも5km以内です。
配達料金は、配達距離だけでなく、配達件数、稼働している配達員の数、料理の量など、様々な要素から算出されます。一般的に、短い距離の配達は料金が低い傾向があります。そのため、都内の自転車配達員は「5kmの壁」に悩まされているのです。 雨の日や極端な気温の日、年末年始など、配達員の数が少ないタイミングでなければ、高収入を得るのは難しいのが現状です。
収入の壁:1万2千円の壁
12時間稼働の制限と短い配達距離が重なり、都内の自転車配達員の収入には「1万2千円の壁」が存在します。以前は1日1万8千円から2万2千円程度稼ぐことも可能でしたが、現在は1万2千円を超えれば良い方だと感じる配達員も多いようです。
オフィスへのランチデリバリーの需要減少や、早朝・深夜の注文増加など、需要の時間帯の変化も収入減少に拍車をかけています。クエストボーナスやチップを除いた純粋な配達収入は、1万2千円程度が平均的な金額となっています。
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その他の壁
上記以外にも、一度に運べる商品の量の制限や現金配達の難しさなど、配達員を悩ませる「壁」は様々です。これらの壁は、103万円の壁のように生活に大きな影響を与えるものではありませんが、配達員にとっては日々向き合わなければならない課題となっています。
まとめ
ウーバーイーツ配達員は、自由な働き方が魅力である一方で、12時間稼働の制限、都内における5kmの壁、そして1万2千円の壁など、様々な課題に直面しています。これらの壁を理解し、戦略的に働くことで、より効率的に収入を得ることが可能になるでしょう。