アメリカの食品医薬品局（FDA）が、合成着色料「赤色3号」を食品や飲料、経口医薬品への使用禁止を発表しました。長年、動物実験で発がん性が指摘されてきた赤色3号。今回の決定は、私たちの食の安全にどのような影響を与えるのでしょうか？
赤色3号とは？その危険性
赤色3号は、鮮やかな赤色を呈する合成着色料です。キャンディ、飲料、加工食品など、様々な食品に使用されてきました。しかし、30年以上前から動物実験において発がん性が指摘され、健康への影響が懸念されていました。2022年には複数の団体からFDAへ使用禁止の嘆願書が提出され、カリフォルニア州では2023年10月に既に使用が禁止されています。
alt: 赤色3号が使用された可能性のあるカラフルなキャンディ
FDAの決定と今後の影響
FDAは、赤色3号を含む食品の販売期限を2027年1月15日、経口医薬品は2028年1月18日と定めました。輸入食品もこの規制の対象となります。大手食品メーカーの中には、既に赤色3号の使用を中止している企業もありますが、今後、多くの食品で代替着色料への切り替えが必要となるでしょう。
代替着色料「赤色40号」の安全性は？
赤色3号の代替として使用される可能性のある「赤色40号」にも、懸念の声が上がっています。カリフォルニア州は、子どもの行動や注意力への影響を懸念し、2024年9月に公立学校で販売される食品への赤色40号の使用を禁止しました。また、マウスの免疫系腫瘍の増大との関連性や、発がん物質であるベンゼンが含まれている可能性も指摘されています。今後の研究結果が待たれます。
消費者のためのアドバイス
食品を選ぶ際には、原材料表示をよく確認し、着色料の種類に注意を払うことが大切です。特に小さなお子様がいる家庭では、着色料の影響を考慮し、自然由来の着色料を使用した食品を選ぶなどの工夫も有効でしょう。食の安全を守るためには、消費者自身も正しい知識を持ち、意識的に選択していく必要があります。
専門家の見解
食品安全コンサルタントの山田一郎氏は、「今回のFDAの決定は、消費者の健康を守る上で重要な一歩です。しかし、赤色40号など、他の着色料の安全性についても継続的な調査と評価が必要不可欠です。」と述べています。
alt: スーパーマーケットで食品のラベルをチェックする女性
まとめ
赤色3号の使用禁止は、食の安全に対する意識を高める良い機会と言えるでしょう。今後も、食品添加物に関する情報を積極的に収集し、健康的な食生活を送るために必要な知識を身につけていきましょう。
