カリフォルニア州で発生した山火事。ニュースでその惨状を目にするたび、胸が締め付けられます。今回は、実際に被災された22歳のタビサ・スネイブリーさんの体験談を通して、山火事の恐ろしさと避難生活の現実をお伝えします。日々の暮らしが一瞬にして奪われる恐怖、そして大切な思い出が灰燼に帰してしまう悲しみ…彼女の言葉から、防災の大切さを改めて考えさせられます。
突然の避難警報、そして煙の臭い
カリフォルニア州パシフィック・パリセーズで一人暮らしをしていたタビサさんは、1月7日の夜、突然の避難警報で目を覚ましました。45分という限られた時間の中で、必要な荷物をまとめ、愛犬の餌を急いで用意。部屋の中まで煙の臭いが漂い始め、一刻を争う状況であることを悟ります。
避難準備をする女性
スーツケースに服を詰め込み、愛犬を抱えて車に乗り込みました。携帯電話、パソコン、着替えなど、緊急時に必要なものをかき集め、避難を開始。駐車場は既に煙で視界が悪く、多くの車が逃げ出そうとしていました。幸いにも、パシフィック・コースト・ハイウェイに近かったため、スムーズに脱出することができたそうです。
家族のもとへ、そして届いた悲報
サンディエゴにある実家に避難したタビサさん。家族は、山火事の広がりを考慮し、サンタモニカやハリウッドの友人の家ではなく、実家に来るよう勧めたといいます。避難者も増え続け、事態は深刻化していく一方でした。
翌日、火災情報アプリ「Watch Duty」で自分のアパートが危険区域に指定されていることを確認。部屋は建物の内側にあるため、被害が最小限であることを祈っていましたが、その願いは届きませんでした。
週末に状況を確認しに行く予定だったタビサさん。しかし、ニュースで自分のアパートが燃えている映像を目の当たりにします。写真、本、卒業証書、そして曽祖母の手作りキルト…自宅に残してきた大切な思い出の品々は、全て灰燼に帰してしまったのです。
燃える家屋
思い出の品、そして未来への不安
祖母の形見の食器セットも失ってしまったタビサさん。思い出が詰まった品々は、お金では買えない貴重なものでした。「多くの持ち物は古着や譲り受けたものなので、簡単に買い換えられない」と語っており、今後の生活への不安も募らせています。
専門家の声
防災コンサルタントの佐藤一郎氏は、「山火事は予測が難しく、被害も甚大です。避難指示が出たら、迷わず避難することが重要です。日頃から避難経路の確認や非常持ち出し袋の準備をしておくことが大切です」と警鐘を鳴らしています。
私たちにできること
タビサさんの体験談は、山火事の恐ろしさを改めて私たちに突きつけます。いつどこで災害が起こるかわからない現代社会において、日頃からの備えがいかに重要か、改めて考えさせられます。
この機会に、ぜひご自身の防災対策を見直してみてはいかがでしょうか。