イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区の間で結ばれた停戦合意。しかし、この合意はイスラエル国内で波紋を広げ、ネタニヤフ政権を揺るがす事態へと発展しています。極右政党「ユダヤの力」が停戦に反発し、連立政権からの離脱を表明したのです。今後のイスラエル政局、そして中東和平への影響は避けられない情勢となっています。
極右「ユダヤの力」、ハマスの壊滅求めて停戦反対
「ユダヤの力」は、ベングビール国家治安相が率いる極右政党です。イスラム組織ハマスを壊滅すべきとの強硬な立場から、今回の停戦合意に強く反対していました。彼らは、停戦はハマスの勢力拡大を許すものであり、イスラエルの安全保障を脅かすものだと主張しています。
イスラエル首相府のSNSより
ネタニヤフ政権、過半数は維持も不安定な情勢に
ベングビール氏を含む「ユダヤの力」の議員6名は、19日に連立政権から離脱する予定です。ネタニヤフ政権は68議席を保有しているため、離脱後も過半数は維持されます。しかし、この動きが他の極右政党にも波及する可能性があり、政権基盤の安定性が揺らいでいます。例えば、スモトリッチ財務相も、6週間の停戦後に戦闘が再開されない場合は連立離脱を表明しています。
アメリカとの関係、そして中東和平への影響は?
ネタニヤフ首相は、停戦を求めるアメリカのバイデン政権と、停戦に反発する国内の極右勢力との間で板挟みになり、難しい舵取りを迫られています。イスラエルとアメリカの微妙な関係、そして今後のガザ地区を含む中東和平への影響は、予断を許さない状況です。専門家の間では、「ユダヤの力」の離脱は、中東和平交渉の停滞を招き、更なる緊張の高まりにつながる可能性があると懸念されています。 例えば、テルアビブ大学のイスラエル政治専門家、デイビッド・レヴィ教授は、「この政局の混乱は、パレスチナ側との信頼関係を損ない、和平への道を更に険しいものにするだろう」と警鐘を鳴らしています。
イスラエル政局の行方
「ユダヤの力」の連立離脱は、イスラエル政局に大きな変化をもたらす可能性があります。ネタニヤフ首相は、政権運営の安定化に向けて、新たな連立パートナー探しを迫られる可能性も出てきました。今後のイスラエル政局の動向、そして中東情勢への影響に、世界中が注目しています。