尹大統領支持者、ソウル西部地裁に乱入!戒厳令巡る逮捕劇の余波

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の逮捕を受け、波紋が広がっています。戒厳令発令を企てた容疑での逮捕劇後、支持者の一部が裁判所へ乱入し、破壊行為を行うという衝撃的な事態が発生しました。この事件は、韓国社会の深い分断を浮き彫りにしています。

戒厳令発令計画と逮捕劇の背景

尹大統領は、非常戒厳令の発令を計画していた容疑で逮捕されました。革新層からは逮捕を歓迎する声が上がる一方で、保守層の一部からは強い反発が生じ、今回の暴動へと繋がりました。

支持者による地裁乱入と破壊行為

数百人規模の支持者たちは、警察から奪った盾や椅子などを用いてソウル西部地裁に乱入。ガラスの扉や窓を破壊し、ATMやテレビなども標的にしました。逮捕状を発付した裁判官の名前を叫びながら、裁判所内を捜索する姿も見られました。「法治主義の最後の砦」である裁判所が一時、無法地帯と化したと韓国メディアは報じています。

ソウル西部地裁の被害状況ソウル西部地裁の被害状況

警察の対応と逮捕者

警察は約1400人の機動隊を投入し、鎮圧にあたりました。結果として、86人が身柄を拘束されたと報じられています。尹大統領自身は弁護団を通じて、平和的な意思表示を求める声明を発表しました。

拘置所での生活と警護体制

尹大統領はソウル近郊のソウル拘置所に収容されることになりました。朴槿恵(パク・クネ)、李明博(イ・ミョンバク)両元大統領と同様、約10平方メートルの個室が与えられる見込みです。現職大統領として初めて、収容者服の着用と収容者番号の割り当て、顔写真の撮影が行われるという異例の事態となっています。

破壊されたソウル西部地裁の壁破壊されたソウル西部地裁の壁

しかし、現職大統領であるため、複数の警護官による24時間体制の警護は継続されます。地裁への移動時も、大統領専用車両による厳重な警護が行われました。信号機の操作や交通規制など、異例の対応が取られました。韓国政治の専門家、キム・ヨンチョル氏(仮名)は、「現職大統領の逮捕と拘置という前例のない事態は、韓国政治史に大きな傷跡を残すだろう」と述べています。

韓国社会の分断と今後の展望

今回の事件は、韓国社会の分断を改めて浮き彫りにしました。革新層と保守層の対立は激化しており、今後の政局の行方は不透明です。尹大統領の逮捕は、韓国政治に大きな波紋を広げ、予断を許さない状況が続いています。