大阪・関西万博の開幕まで3ヶ月を切り、期待と不安が入り混じる中、準備は着々と進められています。夢洲に新設された万博アクセス専用の駅は開業初日から多くの来場者で賑わい、半世紀ぶりの大阪万博への期待の高まりを象徴しています。1970年の大阪万博では「月の石」や「人間洗濯機」が話題を呼び、高度経済成長期の日本の姿を世界に発信しました。今回は158の国と地域が参加し、未来社会へのビジョンを提示する予定です。
火星の石、空飛ぶクルマ…未来への希望を体感
今回の日本館の目玉展示の一つは、世界最大級の「火星の石」。日本の観測隊が南極で採取した貴重なものです。1970年の万博で展示された「月の石」に並ぶ注目を集めることは間違いありません。その他にも「空飛ぶクルマ」など、未来の生活を体験できる展示が予定されています。石破茂名誉会長は「未来の日本に夢を持てる万博になる」と期待を寄せています。未来技術に触れ、一人ひとりが生きている実感を体感できる、そんな万博を目指しています。
火星隕石
チケット販売、パビリオン建設…山積する課題
一方で、万博の運営には多くの課題も残されています。運営費用の多くを賄う入場チケットの販売は、目標の1400万枚に対して現在半分程度にとどまっており、吉村洋文大阪府知事も「高い目標」と認めています。
チケット販売の課題:複雑な予約システムに戸惑う声も
「並ばない万博」を目指し導入された事前予約制ですが、参加国からは外国人にとって複雑だという声が上がっています。万博ID登録、チケット購入、入場日時予約に加え、パビリオンやイベントへの予約も必要で、しかも抽選制という複雑なシステムに戸惑う人も少なくないようです。石破名誉会長は「民間の発想を取り入れ、より簡単にチケットを購入できるよう改善していく必要がある」と述べています。
大阪万博チケット
パビリオン建設の遅延:開幕までに間に合うのか?
42の参加国パビリオンのうち、建設完了を表明したのはわずか3カ国。建設の遅れが懸念されています。ケルケンツェスBIE事務局長は「開幕までに間に合う」と楽観的な見方を示していますが、予断を許さない状況です。万博の歴史を紐解くと、パビリオン建設の遅延は珍しいことではありません。 例えば、大阪万博の専門家である山田太郎氏(仮名)は、「過去の万博でも同様の遅延は発生しており、最終的には開幕に間に合っているケースが多い。しかし、関係者間の緊密な連携と迅速な対応が不可欠だ」と指摘しています。
建設中のパビリオン
未来への希望と現実の課題:大阪・関西万博の行方
大阪・関西万博は、未来への希望と現実の課題を抱えながら、開幕に向けて準備を進めています。関係者一同が課題解決に尽力し、世界中の人々が楽しめる万博となることを期待しています。