藤井聡太七冠、服部慎一郎六段に敗れる!朝日杯将棋オープン戦で波乱

朝日杯将棋オープン戦で、大波乱が巻き起こりました。19日に名古屋市「ポートメッセ名古屋」で行われた第18回朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント準々決勝にて、なんと藤井聡太七冠が服部慎一郎六段に敗北を喫したのです。

服部六段の快進撃、藤井七冠を圧倒

現在絶好調の服部六段。本年度の対戦成績は驚異の32勝4敗、勝率8割8分9厘と破竹の勢いで勝ち進んできました。本戦トーナメント1回戦ではベテラン棋士、丸山忠久九段を破り、勢いそのままに藤井七冠との対局に臨みました。

序盤から矢倉戦に持ち込み、持ち前の堅実な受けの棋風を活かして藤井七冠を追い詰めていきます。「忍者」の異名を持つ服部六段、その名の通り静かに、しかし確実に藤井七冠の玉に迫っていきました。

alt 藤井聡太七冠と服部慎一郎六段の対局風景。真剣な表情で盤面を見つめる二人の姿が印象的です。alt 藤井聡太七冠と服部慎一郎六段の対局風景。真剣な表情で盤面を見つめる二人の姿が印象的です。

会心の作戦、そして初のベスト4進出

持ち時間40分の藤井七冠に対し、服部六段は冷静に時間を使い、相手の持ち時間を先に消費させることに成功。この時点で服部六段にはまだ30分もの持ち時間が残されていました。

「リスクのある手だったが、早指しだからこそ試してみたかった」と語る服部六段。この作戦が見事に的中し、会心の勝利を掴みました。

初のベスト4進出に「正直、勝てるとは思っていなかったので、自分でも驚いています」と喜びを語りました。

M-1グランプリ出場経験も持つ異色の棋士

富山県出身の25歳、服部慎一郎六段。実は、冨田誠也五段と「もぐら兄弟」というコンビ名で、2024年のM-1グランプリ1回戦に出場したという異色の経歴の持ち主でもあります。

将棋界からのM-1参戦は史上初という快挙。デビュー5年目にして絶対王者から大金星を挙げた「ハットリ君」の今後の活躍にますます期待が高まります。

年度最高勝率更新なるか?

今回の勝利で、服部六段の年間成績は33勝4敗、勝率は8割9分2厘に。全棋士中1位の勝率を誇ります。

これは、中原誠十六世名人が1967年度に記録した47勝8敗、勝率8割5分4厘という年度最高勝率の記録更新も視野に入る驚異的な数字です。

58年ぶりの大記録更新なるか?服部六段は「まだ2カ月あるので、目の前の一局一局に集中していきたい」と冷静に語りました。今後の対局からも目が離せません。