米国でドナルド・トランプ氏が再び大統領に就任しました。2025年1月20日、ワシントンD.C.の連邦議会議事堂で行われた就任式で、78歳という史上最高齢での大統領就任を果たしたトランプ氏は、約30分にわたる就任演説の中で「米国の黄金時代が今始まる」と高らかに宣言。不法移民対策の強化、南部国境の非常事態宣言など、大胆な政策構想を打ち出し、注目を集めました。
alt ドナルド・トランプ氏が大統領就任式で宣誓する様子。
4年ぶりのホワイトハウス復帰、波乱の道のりを経て
2020年の大統領選を巡る訴訟や有罪判決など、波乱万丈の4年間を経て、トランプ氏は再び大統領の座に返り咲きました。「このような歴史的な政治的復活は不可能だと多くの人は考えていた」と述べ、逆境を乗り越えての再出発を強調しました。就任演説では、自身に対する暗殺未遂事件にも触れ、「神によって救われた」と語り、強い使命感を感じさせる場面もありました。
主要政策:不法移民対策、経済政策、そして宇宙開発
就任演説でトランプ氏は、不法移民対策を最優先課題として掲げ、「南部国境での国家非常事態を宣言する」と表明。不法移民の即時送還手続き開始など、強硬な姿勢を示しました。
経済政策と大胆な構想
経済政策においては、パナマ運河の奪還や「外国歳入庁」の創設など、前例のない大胆な構想を打ち出しました。また、メキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に変更する考えも改めて示し、物議を醸しています。
宇宙開発への意欲
さらに、火星への有人宇宙飛行計画にも言及。宇宙開発への強い意欲を示し、アメリカの未来への投資を強調しました。
alt 就任式に出席したハイテク企業幹部たち。
バイデン前政権への批判と政策転換
トランプ氏は、バイデン前政権の政策を痛烈に批判。就任式後には、不法移民対策、環境規制の緩和、多様性関連規制の緩和など、前政権の政策を覆すための一連の大統領令に署名しました。気候変動対策の国際ルール「パリ協定」からの再離脱も命じ、大きな波紋を呼んでいます。「バイデン政権がもたらした全てのがんを排除する」と強い言葉で述べ、徹底的な政策転換を進める姿勢を明確にしました。
今後の展望
トランプ氏の再登板は、アメリカ社会に大きな変化をもたらす可能性があります。大胆な政策構想と強硬な姿勢は、国内外に様々な影響を与えることが予想され、今後の動向に注目が集まります。