北朝鮮からロシアへの兵士派遣とウクライナ紛争での死傷者の噂が、北朝鮮国内で急速に広がり、波紋を広げている。金正恩政権は公式に派兵を認めていないものの、国外からの情報流入により、親たちは不安を募らせ、徴兵忌避の動きも活発化しているという。jp24h.comは、北朝鮮内部の状況を独自の情報網で取材し、その実態に迫る。
北朝鮮兵士のロシア派兵:噂の真相
北朝鮮兵士のロシア派兵とウクライナでの死傷者に関する情報は、どのようにして北朝鮮国内に広まったのだろうか?韓国軍当局は、軍事境界線付近に設置された拡声器を通じて、北朝鮮兵の捕虜や戦死者に関する情報を放送したと報じられている。また、韓国に近い南部地域では、韓国のテレビやラジオを視聴する人も少なくない。こうした情報が口コミで北上し、国内に広まった可能性が高い。さらに、脱北者から中国の携帯電話を通じて家族や知人に伝えられた情報も拡散の一因と考えられる。これらの情報が複合的に作用し、北朝鮮国内で急速に広まっているとみられる。
北朝鮮の兵士が捕虜になったというニュースが話題になっている。
情報流入と親たちの不安
北朝鮮北部地域に住む取材協力者A氏によると、「ロシアで北朝鮮兵士が多数死傷しているという情報が、南部地域から伝わってきた」という。A氏は、「韓国の放送が情報源の一つかもしれない」と推測している。 韓国の放送に加え、脱北者コミュニティからの情報も影響を与えている可能性がある。
春の徴兵シーズン目前:高まる徴兵忌避の動き
北朝鮮では、春に「招募」と呼ばれる軍入隊の手続きが始まる。息子を持つ親たちは、ロシア派兵と死傷者の噂に不安を募らせ、徴兵忌避の動きを見せている。A氏は、「息子が軍隊に行かないよう、大学入学の推薦を得るために家まで売って賄賂を送った知人もいる」と語る。一人っ子が多い北朝鮮では、息子の命を守るため、親たちは必死になっている。
北朝鮮の地図。徴兵を避けるため、親たちは様々な手段を講じている。
海軍や空軍への入隊希望が増加
ロシアへの派兵の可能性が低いとされる海軍や空軍、警察への入隊を希望する親も増えているという。北朝鮮の軍事専門家B氏(仮名)は、「ロシアへの派兵は、主に陸軍の精鋭部隊から選抜されていると考えられる。海軍や空軍への入隊は、相対的にリスクが低いと認識されている」と分析する。
脱北者が多い地域からの徴兵に慎重な姿勢
A氏によると、中国との国境に近い地域出身の兵士は、ロシアへの派兵対象から外されているという。「脱北者が多い地域では、親族に脱北者がいる可能性もあり、逃亡のリスクが高いと判断されているのではないか」とA氏は推測する。北朝鮮当局は、国境地域からの兵士の徴兵に慎重な姿勢を見せているようだ。
この状況について、国際情勢アナリストC氏(仮名)は、「北朝鮮の兵士派遣は、ロシアにとって貴重な戦力となる一方、北朝鮮国内では大きなリスクと不安を生み出している。今後の情勢次第では、北朝鮮社会に更なる混乱が生じる可能性もある」と警鐘を鳴らす。 jp24h.comは、引き続きこの問題を注視し、最新の情報をお届けする。