30年ぶりの少数与党となった石破茂政権。衆議院で12議席不足という苦境を打破するため、自民党は水面下で大胆な戦略を展開しているようです。そのカギを握るのが、日本維新の会からの議員引き抜き。果たして、この秘策は成功するのでしょうか?今後の政局を左右するかもしれない、政界の動向に迫ります。
維新の内紛と自民党の思惑
日本維新の会は、昨年の衆院選で野党第一党を目指しながらも惨敗。馬場伸幸前代表は辞任を拒否したものの、吉村洋文大阪府知事系の議員からの批判を受け、代表選不出馬に追い込まれました。
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馬場系議員は新体制で閑職に追いやられ、自民党への復帰を望む声も上がっているといいます。党内は馬場系と吉村系で深刻な対立を抱えており、この状況を自民党は見逃しませんでした。
政治評論家の山田一郎氏(仮名)は、「維新の内紛は自民党にとって千載一遇のチャンス。維新の不満分子を取り込むことで、政権基盤を強化できる」と分析しています。
引き抜き候補者と戦略
自民党は、馬場氏をはじめとする複数の維新議員に接触し、引き抜き工作を進めているとされています。ターゲットは馬場、藤田、遠藤、浦野の4氏に加え、「有志の会」所属の保守系議員3名。
さらに、吉村氏に敗れた金村龍那氏周辺の若手議員にも接触。彼らは選挙区に自民党現職がいない、もしくは高齢・非主流派であるため、自民党への“移籍”が容易と見られています。
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比例復活組である彼らが他党会派に入るには法的な制約がありますが、新党結成という選択肢も。この場合、維新の非大阪組の参加も視野に入り、政権への協力は可能となります。
政界再編の可能性と今後の展望
自民党による維新議員引き抜きは、政界再編の引き金となる可能性も秘めています。国民民主党や日本維新の会の動向にも注目が集まり、今後の政局は予断を許しません。
政治ジャーナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「自民党の戦略が成功すれば、政権基盤は盤石なものとなるでしょう。しかし、引き抜き工作が露骨すぎると、世論の反発を招く恐れもある」と指摘しています。
少数与党からの脱却を目指す自民党。維新議員引き抜きという秘策は、政権の命運を左右する重要な局面を迎えています。今後の展開から目が離せません。