(CNN) 米国のトランプ大統領がカナダとメキシコに対して早ければ来月1日にも25%の関税を課すとの考えを示したことを受け、カナダのトルドー首相は21日、もし不公平な関税が課された場合には断固とした対応を取ると明らかにした。
トルドー氏は訪問先のフランスで記者の質問に答え、「不公平な関税があれば、我々は断固として対応し、カナダ人を支援し、国益を守る」と語った。全ての選択肢が含まれるとしている。
トランプ氏は20日、大統領執務室での大統領令署名の式典で、カナダとメキシコに関税を課す考えを明らかにしていた。
トルドー氏は、トランプ氏が署名した大統領令では当局者に対して「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」が米国の労働者や企業にどのような影響を与えているのかや、米国が協定にとどまるべきかどうか分析するよう指示していると指摘した。これにより、米当局は協定を厳格化することで、合成麻薬「フェンタニル」や米国への不法移民の流入をうまく制限できるかどうか評価する必要が出てくる。
トルドー氏は、米国に流入するフェンタニルや不法移民のうちカナダから入るものは1%にも満たず、カナダ政府はすでに包括的な国境警備の計画によって、トランプ氏の国境警備に関する懸念に対処するための行動を起こしていると強調した。
トルドー氏によれば、カナダは米国の製造業や家庭に電力を供給している。さらに、米国の貿易相手上位5カ国のうち、米国が製造業で貿易黒字を出しているのはカナダだけであり、カナダは中国と日本、ドイツを合わせたよりも多く、米国で製造された製品を購入しているという。