2024年7月、カナダ・プリンスエドワード島で信じられない出来事が起こりました。ある男性が自宅の玄関先で、まさに間一髪で隕石の直撃を免れたのです。この奇跡的な出来事は、インターホンカメラに捉えられ、世界中で話題となりました。今回は、シャーロットタウン隕石と名付けられたこの隕石落下事件の詳細と、その後の調査について詳しく解説します。
隕石落下、九死に一生を得た男性の証言
プリンスエドワード島在住のジョー・ベレイダムさんは、晴れた午後にパートナーと共に自宅を出たところ、玄関前に落ちている紐を見つけました。拾い上げた後、犬の散歩に出かけたベレイダムさん。彼が紐を拾っていた場所に、数分後、隕石が落下したのです。この一部始終はインターホンカメラに記録されており、まさに間一髪の出来事でした。CNNの取材に対し、ベレイダムさんは「もし私がそこにあと2分立っていたら、間違いなく隕石に当たって死んでいたでしょう」と語っています。
インターホンカメラが捉えた隕石落下の瞬間
シャーロットタウン隕石、映像と共に歴史に刻まれる
数ヶ月後、落下物が隕石であることが確認され、国際隕石学会のデータベースに「シャーロットタウン隕石」として登録されました。近くの街の名前にちなんで名付けられたこの隕石は、落下時の映像と音声が記録されているという点で非常に貴重です。アルバータ大学は、インターホンカメラが捉えた隕石落下の瞬間の映像を公開しました。この映像は、隕石研究にとって貴重な資料となるでしょう。
隕石発見の経緯とアルバータ大学の分析
ベレイダムさんは当初、庭に落ちた物が隕石だとは気づかず、パートナーのローラ・ケリーさんと共に片付けを始めました。しかし、近くに住むケリーさんの父親の助言で、標本を詳しく調べることになりました。彼らは掃除機と磁石を使って95グラムの標本を回収。インターネットで検索し、アルバータ大学の隕石コレクションの存在を知り、写真と共に連絡を取ったのです。アルバータ大学のクリス・ハード教授（地球・大気科学）は、写真を見た瞬間に隕石だと確信しました。ハード教授は、「映像を解析することで、隕石落下の速度など、より詳細な情報が得られる可能性がある」と述べています。また、音声データの解析からは、隕石の物理的特性に関する情報が得られる可能性があるとのことです。宇宙からの贈り物である隕石は、地球の成り立ちや宇宙の謎を解き明かすための重要な手がかりとなるのです。「隕石ハンター」と呼ばれる人々も存在し、世界中で隕石探しが盛んに行われています。今回のシャーロットタウン隕石は、まさに奇跡的な発見と言えるでしょう。
シャーロットタウン隕石
隕石研究の未来
シャーロットタウン隕石は、映像と音声によってその落下が記録された希少な例です。これらのデータは、隕石の軌道や速度、大気圏突入時の変化などを解き明かすための貴重な情報となります。今後の研究により、太陽系や地球の起源、さらには生命の起源に迫る新たな発見が期待されます。隕石は、宇宙の神秘を解き明かすためのタイムカプセルと言えるでしょう。
