北朝鮮の体制崩壊は近い?若者世代の反感が高まり、崩壊の兆候を読み解く

北朝鮮の金正恩体制は盤石に見えるかもしれません。しかし、水面下では政権を揺るがす大きな変化が起きている可能性があります。本記事では、若者世代の反感の高まりという観点から、北朝鮮体制崩壊の可能性について深く掘り下げていきます。

金正恩体制の揺らぎ:若者世代の反感

金正恩総書記は強権的な統治で権力基盤を固めてきたように見えます。肖像画の掲示やバッジの登場など、個人崇拝も強化されています。しかし、国家安保戦略研究院の高在弘主任研究員は、体制内部に崩壊の兆候が見られると指摘しています。その鍵を握るのが、MZ世代と呼ばれる若者たちです。

MZ世代:体制への忠誠心は低い?

MZ世代は、配給制度などの社会主義の恩恵を受けずに育った世代です。そのため、金正恩総書記や朝鮮労働党への忠誠心が低いとされています。政権側は、彼らを統制するために様々な法律を制定しています。韓国ドラマの視聴を禁じる「反動思想文化排撃法」、外見や行動の自由を制限する「青年教養事業法」、韓国式表現を禁止する「平壌文化語法」などがその例です。

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これらの法律は、特に16歳から24歳の若者約300万人を対象としています。彼らは数年後には軍の一部を構成し、さらに5年後には約600万人に拡大すると予測されています。若者世代の動向は、北朝鮮の将来を左右する重要な要素と言えるでしょう。

“金正恩風”の禁止:体制への嘲笑?

最近、北朝鮮当局は若者の間で流行している「金正恩風のズボン」や「髪型」を禁止しました。公式な理由は明らかにされていませんが、金総書記を「嘲笑」しているためだと考えられています。これは、若者世代の間で金正恩体制への反感や不満が広がっていることを示唆しています。

抵抗運動への発展?

高在弘研究員は、若者世代の不満が将来的に「抵抗運動」へと発展する可能性を指摘しています。彼らは、体制への忠誠心が低く、情報統制も完全ではありません。外部情報に触れる機会が増えれば、体制への疑問がさらに強まる可能性があります。

軍内部の格差:潜在的な分裂

高在弘研究員は、軍内部の格差も体制崩壊の要因になり得ると指摘しています。経済格差の拡大は、軍内部の不満を高める可能性があります。もし、軍の一部が反乱を起こせば、体制は一気に崩壊する可能性も否定できません。

まとめ:北朝鮮体制の未来

北朝鮮の金正恩体制は、一見安定しているように見えます。しかし、若者世代の反感の高まりや軍内部の格差など、体制を揺るがす様々な要因が存在します。これらの要因が複雑に絡み合い、将来的に体制崩壊へと繋がる可能性も考えられます。今後の北朝鮮情勢から目が離せません。