トランプ政権とどう向き合う?変化する世界情勢を読み解く

世界は大きな変化の渦中にあります。グローバル化の進展とともに、貧富の格差や文化摩擦、価値観の多様化といった課題が顕在化し、国際社会はかつてない複雑な局面を迎えています。こうした中で、2025年に発足した二度目のトランプ政権は、世界にどのような影響を与えるのでしょうか。日本国際問題研究所の佐々江賢一郎理事長(元駐米大使)の言葉を元に、紐解いていきましょう。

グローバル化の反動と「トランピズム」の本質

altalt佐々江賢一郎理事長は、トランプ氏の登場は、多国間主義やグローバル化の反動、ひいては米国一極集中体制の終焉を象徴する出来事だと指摘します。世界は、米国が資金や軍事力を提供し、世界を牽引する時代から、各国が自らの力で国益を守らなければならない時代へと移行しつつあります。「トランピズム」と呼ばれるトランプ氏の外交姿勢は、力による国益維持を重視する現実主義的なアプローチと言えるでしょう。

各国が直面する新たな課題

世界的な潮流の変化に伴い、各国は安全保障、経済、文化など、あらゆる分野で自国の価値と国益を再評価することを迫られています。佐々江理事長は、トランプ氏の登場は、この現実を改めて世界に突きつけるものだと述べています。

トランプ政権への対応と日本の役割

altaltトランプ政権は、NATO加盟国に対し、防衛費の増額を強く要求してきました。こうした要求に対し、各国はどのように対応すべきでしょうか。佐々江理事長は、「どう逃れるか」ではなく、「どうしたいか」「どうすべきか」という主体的な視点が重要だと強調します。

「今日のウクライナは明日の東アジア」

日本の歴代首相は、「今日のウクライナは明日の東アジア」と繰り返し述べてきました。これは、ロシアのウクライナ侵攻を対岸の火事と捉えるのではなく、日本の安全保障にも関わる重大な危機として認識すべきだという警鐘です。

変化の時代における日本の針路

世界情勢が大きく変化する中で、日本は自国の安全保障を強化し、国際社会における役割を再定義していく必要があります。 佐々江理事長は、国際会議「第6回東京グローバル・ダイアログ」において、こうした課題について議論を深める重要性を訴えています。日本は、変化の波を乗り越え、新たな時代を切り開いていけるのでしょうか。今後の動向に注目が集まります。