高齢化社会の日本で、親の介護は避けて通れない問題です。介護には費用もかかり、将来への不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、介護におけるお金の問題、特に「絶対NG行動」について、相続専門税理士の橘慶太氏の著書『ぶっちゃけ相続 お金の不安が消えるエンディングノート』を参考にしながら、分かりやすく解説します。終活を始める際のヒントとして、ぜひお役立てください。
介護費用と生活費の現実
総務省の調査によると、老後の生活費は60代世帯で約30万円、70代以上で約25万円かかるとされています。90歳まで生きると仮定すると、60歳から30年間で9600万円もの費用が必要になる計算です。さらに、病気や介護費用も考えると、経済的な不安はさらに大きくなります。
高齢者の生活費のイメージ
介護におけるお金の管理：NG行動と対策
親の介護で家族が通帳を管理する場合、お金の使い道は明確にしておくことが重要です。「いつ、いくらを引き出し、何に使ったか」を記録に残すことで、後々のトラブルを未然に防ぎます。
簡単な記録方法で安心を確保
ノートに日付、金額、使い道をメモし、レシートを貼るだけでも十分な記録になります。これは横領の疑いを晴らす証拠にもなります。
生前贈与と誤解されないための対策
介護を担う家族の口座にまとまったお金を移す場合、年間110万円を超えると贈与税が心配になるかもしれません。しかし、これは贈与ではなく「預かり金」とみなされるため、贈与税はかかりません。ただし、領収書を残し、使途を明確にしておくことが大切です。
絶対にやってはいけないNG行動：預金通帳の処分
「預金通帳を処分すれば、お金の使い道はわからない」と考えるのは大きな間違いです。相続人は被相続人の死後、10年分の取引履歴を取得できます。高額な出金や特定の相続人への生前贈与などが発覚し、家族間で深刻なトラブルに発展する可能性があります。
相続トラブルは二次相続で起こりやすい
相続トラブルは、配偶者が亡くなった後の二次相続で起こりやすい傾向があります。子どもと同居が始まるタイミングで、お金の問題が表面化することが多いため、事前の対策が重要です。
専門家の視点：橘慶太氏からのアドバイス
相続専門税理士の橘慶太氏は、5000人を超える相続相談の実績を持つ専門家です。氏の著書『ぶっちゃけ相続 お金の不安が消えるエンディングノート』では、終活や相続に関する具体的なノウハウが紹介されています。お金の不安を解消し、円満な相続を実現するために、専門家の知恵を活用することも有効な手段です。
まとめ：円滑な介護とお金の管理のために
親の介護には、お金の管理が不可欠です。透明性の高い管理と適切な記録によって、家族間の信頼を守り、将来のトラブルを回避しましょう。この記事が、介護と終活に関する不安解消の一助となれば幸いです。
