菅谷大介さん逝去:膵臓がんと闘い、最期まで役割を果たした著名人たち

日本テレビアナウンサーの菅谷大介さんが11月8日に53歳で逝去されました。2022年に膵臓がんを公表された後も、職務を続けながら闘病されていた姿は、多くの人々に感動を与えました。この姿勢は、同じ病でこの世を去った他の著名人たちとも共通しています。

膵臓がんと向き合った著名人たちの軌跡

名優・八千草薫さんの気骨ある闘病

数々のドラマを彩った名女優・八千草薫さんは、2019年10月に88歳で膵臓がんのため亡くなられました。2019年4月開始のドラマ『やすらぎの刻〜道』(テレビ朝日系)への出演を予定されていましたが、治療のため降板を余儀なくされました。しかし、実際には治療中に撮影に参加されており、ドラマにその姿が登場しています。2020年1月11日配信の『現代ビジネス』によれば、八千草さんは膵臓がんと診断された際も「ついに来たわね」と落ち着いた様子だったと報じられています。作品と向き合う気骨と、人生を悠然と生きる姿勢を最後まで失わなかった大女優でした。

すい臓がんと診断された時の八千草薫さんすい臓がんと診断された時の八千草薫さん

闘将・星野仙一氏の最期まで貫いた「強気」

中日ドラゴンズをはじめ、多くの球団をリーグ優勝に導いた闘将・星野仙一さんもまた、膵臓がんと闘い、2018年1月に70歳で旅立たれました。星野さんは2016年7月に急性膵炎を発症したことがきっかけで膵臓がんが判明しました。その後、体調に波はあったものの、仕事に支障をきたすことなく過ごされていたと言います。2018年1月に亡くなるまで、球団の取締役副会長を務めました。人前では常に強気を貫いた「星野仙一」スタイルを、最期まで全うされたのだと思われます。

元阪神監督の星野仙一氏元阪神監督の星野仙一氏

横綱・千代の富士、親方としての威厳を保つ

横綱・千代の富士、九重親方は、2015年6月の還暦土俵入り直前の健康診断で膵臓がんが見つかりました。2016年8月4日配信の『NEWSポストセブン』によると、周囲に気づかれないよう、普段どおりの生活を送るため、抗がん剤ではなく放射線治療を選択されました。弟子の指導や相撲協会での職務をこなしながら、最期まで親方としての貫禄を失いませんでした。2016年7月、61歳という若さで惜しまれつつこの世を去りました。

膵臓がんの現状と困難さ

医療ライターによると、膵臓がんは5年生存率がきわめて低いとされています。もちろん、早期発見ができれば生存率は高まりますが、食べ物の通り道ではない膵臓は、がんがかなり進行しても症状が出にくく、気づいたときには手遅れなほど進行していることが多いのが現状です。

プロフェッショナルとしての生き様

菅谷さんをはじめ、膵臓がんで亡くなった著名人たちの姿勢が共通して示しているのは、「最期まで自分の役割を果たす」ことでした。これは、多くの人々に感動を与えるプロフェッショナルならではの、病の受け入れ方であり、生き様だったのかもしれません。彼らの生き方は、私たちに困難に直面した際の尊厳と責任感について深く考えさせるものがあります。

参考文献