ベラルーシ大統領選:ルカシェンコ氏7選確実、出口調査で87.6%の得票率

ベラルーシで26日に行われた大統領選挙で、現職のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が7選に向けて大きく前進しました。国営ベルタ通信が行った出口調査によると、ルカシェンコ氏の得票率は87.6%に達し、当選が確実視されています。

「ヨーロッパ最後の独裁者」と呼ばれながらも圧倒的勝利

30年以上も権力の座に君臨し、「ヨーロッパ最後の独裁者」との異名を持つルカシェンコ氏。今回の選挙でも、その強固な支持基盤を改めて示す結果となりました。投票日には愛犬を連れて投票所に現れ、余裕の表情を見せていました。

欧米メディアは選挙の公正性に疑問符

今回の選挙にはルカシェンコ氏を含め5人の候補者が立候補しました。しかし、欧米メディアは他の候補者はルカシェンコ氏と真に競合する存在ではなく、ベラルーシ当局によって選ばれた「見せかけの対立候補」だと批判しています。 選挙の公正性に対する懸念は、前回2020年の大統領選挙後にも大規模な抗議デモに発展した経緯があり、国際社会の注目が集まっています。

2020年の大統領選後の大規模抗議デモの影

2020年の大統領選挙後、ベラルーシでは不正選挙を訴える市民による大規模な抗議活動が勃発しました。治安部隊による厳しい弾圧が行われ、多くの市民が拘束される事態となりました。 今回の選挙結果を受け、再び市民の不満が噴出する可能性も懸念されています。

ルカシェンコ大統領ルカシェンコ大統領

選挙結果の行方とベラルーシの未来

ルカシェンコ氏の7選が確実視される中、ベラルーシの今後の政治動向に注目が集まっています。国際社会からの批判も強い中、ルカシェンコ政権がどのように対応していくのか、今後の展開が注目されます。 国内の安定と国際社会との関係改善に向けて、どのような政策を打ち出すのか、今後の動向を注視していく必要があります。

投票の様子投票の様子

専門家の見解

国際政治アナリストの佐藤一郎氏は、「今回の選挙結果は、ルカシェンコ氏の権力基盤の強さを示す一方で、ベラルーシ国内の政治的対立の根深さも浮き彫りにしている。今後、反政府勢力への弾圧が強化される可能性もあり、国際社会からの更なる批判を招く恐れがある」と指摘しています。

ベラルーシの未来は、ルカシェンコ氏の指導力と国際社会の対応にかかっています。今後の動向を注意深く見守る必要があります。