イスラエル軍とイスラム教シーア派組織ヒズボラの停戦が続くレバノンの保健省は26日、南部で駐留を続けるイスラエル軍が複数の村で住民らに発砲し、少なくとも15人が死亡したと明らかにした。ロイター通信などが報じた。イスラエル軍は26日朝までに現地から撤退することとされていたが、駐留を継続していた。ヒズボラやレバノン政府が反発するのは必至で、緊張が高まっている。
報道によると、被害に遭った住民はイスラエル軍が占領を続けている村へ帰還しようとしていた。死者にはレバノン軍の兵士1人が含まれているという。イスラエル軍は声明で「部隊に向かってきたため脅威を排除しようと警告射撃を行った」と説明。多数を拘束し、尋問を続けていることも明らかにした。
レバノンでは昨年11月27日に停戦が発効し、イスラエル軍とヒズボラは60日以内にレバノン南部から撤退することで合意していた。撤退後はレバノン軍が現地に展開して治安維持にあたるとされたが、イスラエルはレバノン軍の展開が遅れていると主張し、駐留を継続すると発表。住民に対し、帰還しないよう求めている。【カイロ金子淳】