中国東北部の遼寧省瀋陽市にある商業施設「大東副食品商場」付近で1月26日昼頃に爆発が発生したと香港紙などが報じています。この施設は、わずか3日前の1月23日に習近平国家主席が春節前の視察に訪れたばかりで、中国当局による情報統制の疑いも浮上しています。
爆発現場と習近平氏視察の関連性
爆発が発生したとされるのは、「大東副食品商場」入り口近くの路上。爆発の原因や規模は未だ明らかになっていませんが、香港紙・明報はネット上に流出した動画を元に、複数の負傷者が出ている可能性を報じています。習近平主席はこの商業施設を視察し、市場の品ぞろえや市民生活の様子を自ら確認したことが国営メディアで大きく報道された矢先の出来事でした。
瀋陽市の商業施設「大東副食品商場」。この付近で爆発が起きたと報じられている。
中国メディアの報道削除と情報統制の疑念
中国メディア・紅星新聞も爆発発生を伝えていましたが、その後記事は削除され、現在閲覧できない状態となっています。中国のSNS上でも爆発に関する情報は拡散されておらず、当局による情報統制が行われている可能性が指摘されています。
現場の状況と当局の対応
27日朝、現場を訪れた記者は、商業施設は通常通り営業し買い物客で賑わっている一方で、多数の警察官が配置され厳重な警戒態勢が敷かれているのを確認しました。地元警察関係者によると、事件後、周辺にいた人々のスマートフォンを調べ、爆発関連の動画や写真を削除させていたという情報もあり、当局が今回の爆発の取り扱いに極めて神経質になっている様子が伺えます。
爆発現場となった瀋陽市の「大東副食品商場」周辺。多くの警察官が配置され、物々しい雰囲気に包まれている。
今後の展開と注目点
今回の爆発は、習近平主席の視察直後に発生したという点で、中国国内外から大きな注目を集めています。爆発の原因究明と共に、中国当局の情報統制の有無についても今後の動向が注目されます。「食の安全」を重視する中国政府にとって、今回の事件は大きな痛手となる可能性もあり、徹底的な調査が行われることが予想されます。 今後の情報公開の進展に注目が集まります。