日本のドラマ界を長年牽引してきた恋愛ドラマ。特に90年代は黄金期とも言えるほどの人気でしたが、近年はその勢いに陰りが見えているようです。今期(1月期)のTBS火曜ドラマに見られる異変から、その現状を探ってみましょう。
TBS火曜ドラマ、恋愛ものから医療ものへ大胆転換
長らく恋愛ドラマの定番枠として知られていたTBS火曜ドラマ。しかし、今期は芳根京子主演の医療ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』が放送されています。恋愛以外のジャンルが放送されるのは実に5年以上ぶり、2019年10月期の『G線上のあなたと私』以来となります。
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かつては『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)、『恋はつづくよどこまでも』(2020年)、『私の家政夫ナギサさん』(2020年)など、数々のヒット作を生み出し、「逃げ恥」以降は恋愛ドラマ枠として定着していた火曜ドラマ。しかし近年はヒット作に恵まれず、低迷が続いていました。今回のジャンル変更は、TBSが視聴者の嗜好の変化、つまり恋愛ドラマの需要低下を認識した結果と言えるでしょう。
医療ドラマに求められるリアリティ
『まどか26歳、研修医やってます!』は、タイトル通り主人公が研修医として奮闘する物語。働き方改革で激変する医療現場のリアルな描写も注目されています。主人公が同期と共に成長していく姿は、視聴者に共感と感動を与えています。
恋愛要素は不要?視聴者の声
本作は医療ドラマですが、完全に恋愛要素を排除しているわけではありません。例えば第1話では、主人公がイケメン指導医から指導を受ける際にバックハグのような体勢になる胸キュンシーンがありました。しかし、このシーンに対する視聴者の反応は必ずしも好意的ではありませんでした。
「ベタな恋愛要素は不要」「医療現場のリアルな描写に集中してほしい」「イケメンでなければセクハラでは?」といった声がネット上で見られました。恋愛ドラマに飽き飽きしている視聴者も少なくないようです。
有名料理研究家のAさんは、「ドラマは時代の鏡。視聴者のニーズの変化を敏感に捉えることが重要」と指摘しています。
恋愛ドラマの未来
恋愛ドラマは本当にオワコンなのでしょうか?必ずしもそうとは言えないでしょう。しかし、視聴者のニーズが多様化する中で、従来の恋愛ドラマの型にはまらない新しいアプローチが求められているのは確かです。
火曜ドラマの今回の挑戦は、ドラマ界に一石を投じることになるかもしれません。今後の展開に注目が集まります。