中国の新興企業ディープシークが発表したAIモデルが世界に衝撃を与え、日本株市場も大きく揺れています。日経平均株価は一時大幅下落しましたが、その後下げ渋りを見せ、市場関係者の間では様々な見方が出ています。この記事では、ディープシークショックの現状と今後の市場動向について、専門家の意見も交えながら分かりやすく解説します。
ディープシークショック、日本市場への影響は？
ディープシークのAIモデル発表を受け、世界的な半導体関連株の売りが加速し、日本市場もその影響を大きく受けました。特に、アドバンテストや東京エレクトロンなど、指数寄与度の高い銘柄の下落が日経平均株価を押し下げる一因となりました。
東京証券取引所の様子
りそなホールディングスの井口慶一シニアストラテジストは、「米国を中心とするリスクオフの継続により、ドル円相場にも上値圧力がかかる可能性がある」と指摘しています。
下げ渋る日本株、パニックは回避？
日経平均株価は一時大幅下落したものの、その後は下げ渋る動きを見せています。岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは、「現状は高値圏からの調整であり、米国市場である程度消化されたと見て良いのではないか」と分析しています。
ドル円相場の持ち直しや時間外取引におけるナスダック先物の小幅高も、投資家心理を支えていると考えられます。関西みらい銀行の石田武ストラテジストは、「ドル円相場が153円台で下げ止まったことを踏まえると、ディープシークの影響は一巡しており、米金融政策に影響を与えるものではないだろう」と述べています。
市場の視線はインバウンド、賃上げへ
東証プライム市場では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回っています。半導体関連株から銀行、不動産、サービスなどへの資金シフトが観測されており、三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長は、「春節を控えたインバウンド関連株や、賃上げ期待の内需株への関心が高まっている」と指摘しています。
市場では、ディープシークショックは局地的なリスクであり、経済全体への不安材料ではないとの見方が広がっています。三木証券の北沢氏は、「半導体関連以外のセクターに資金が回っており、株式市場からの資金流出は起きていない」と強調しています。
今後の市場見通し
ディープシークショックは市場に大きなインパクトを与えましたが、日本経済のファンダメンタルズは依然として堅調です。インバウンド需要の回復や賃上げの動きは、日本経済を下支えする重要な要素となるでしょう。
専門家の間では、今回の調整は一時的なものであり、中長期的には日本株市場は上昇基調を維持するとの見方が有力です。今後の市場動向を注視していく必要がありますが、過度に悲観的になる必要はないでしょう。
