フジテレビが元SMAP中居正広氏をめぐる女性トラブルに関して2度目の記者会見を開きました。しかし、その内容は期待を裏切るもので、視聴者からは不信の声が上がっています。果たしてフジテレビは、失墜した信頼を取り戻すことができるのでしょうか?
2度の会見でも拭えぬ不信感
1度目の会見は閉鎖的で批判を浴び、10日後の2度目の会見はフルオープン形式で行われましたが、根本的な問題解決には至りませんでした。最初の30分、経営陣は説明の機会を得たものの、その内容は視聴者の心に響くものではありませんでした。
日枝氏の不在が示すもの
まず、取締役相談役の日枝久氏の不在は大きな疑問符を残しました。フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長が「企業風土の礎」と評するほど影響力を持つ人物の不在は、事態の深刻さを物語っています。労働組合からの出席要求も無視され、経営陣と現場の乖離が浮き彫りになりました。
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被害者への配慮に欠ける発言
次に、被害者である女性に関する発言も問題視されています。当初は社員Aの関与を否定していましたが、会見では「女性が当該社員に対して嫌悪感を示したことがあった」と発言。これは、フジテレビのガバナンスの不備を露呈するものでした。メディア創造学科の影山貴彦教授も、この発言の矛盾点を指摘し、企業としての責任の所在を問うています。
視聴者不在の危機管理
そして最も重要なのが、視聴者へのメッセージの不足です。これほど大きな騒動にもかかわらず、視聴者への謝罪やお詫びの言葉は形式的なものに留まりました。「視聴者の皆様」という言葉は使われましたが、その言葉の裏にある真摯な反省は感じられませんでした。顧客である視聴者への配慮が欠如していると言えるでしょう。
信頼回復への道筋
今回の騒動は、フジテレビが抱える構造的な問題を浮き彫りにしました。企業倫理、ガバナンス、そして視聴者軽視の姿勢。これらの問題を解決しない限り、真の信頼回復は難しいでしょう。同志社女子大学の影山教授は、「現場の社員が結束して日枝氏を引きずり下ろすぐらいのことをしないと生き残る道はない」と厳しい見方を示しています。
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フジテレビは、第三者委員会の設置を表明していますが、それだけで済ませてはいけません。真摯な反省と改革を行い、視聴者からの信頼を再び勝ち取ることが求められています。今後のフジテレビの動向に注目が集まります。