台風19号の大雨による川の増水で橋が崩落し、一部集落が孤立状態だった福島県矢祭町で3日、応急措置の橋(幅約4メートル、長さ約60メートル)が開通した。高地原地区の住民は約3週間ぶりに車で地区内外を行き来できるようになり、孤立状態が解消した。
町によると、久慈川に架かっていた高地原橋が橋脚ごと流失。約300メートル下流に、川の流れをせき止めないよう直径約1メートルのパイプを並べ、その上に土のうや砂利を敷いて車が通行できる橋をつくった。約半年後に仮設の橋を元の場所の近くに架け、2~3年かけて本格的な橋の再建を進める。
住民らはJR水郡線の鉄橋を歩いて水や食料などを運んでいた。高地原地区に住む会社員、松本好郎さん(44)は「車が使えるようになりいろいろな物が運べる。ありがたい」と話した。高地原地区では住民約30人が生活していた。