今年度の最低賃金(時給)について、厚生労働省の中央最低賃金審議会小委員会は4日、引き上げ目安を全国平均で過去最大の63円(6.0%)と決定しました。これにより、全国平均は現在の1055円から1118円となり、初めて全ての都道府県で最低賃金が1000円台に到達する見込みです。
中央最低賃金審議会の小委員会が最低賃金の引き上げ目安を決定する様子(厚生労働省)
最低賃金制度と決定の背景
最低賃金は、企業が労働者に支払うべき時給の下限額として都道府県ごとに定められています。労使代表と学識者で構成される小委員会が毎年、物価や賃金上昇率などを参考に引き上げ目安を決定し、その後、各都道府県の審議会が最終的な改定額を決める仕組みです。今回の過去最大の引き上げは、物価高騰が続く中で労働者の生活を支援し、実質賃金向上を図る狙いがあります。
地域別引き上げ額と全国統一1000円台の実現
今回の引き上げ目安は、47都道府県を経済状況に応じてA(東京など6都府県)、B(京都など28道府県)、C(沖縄など13県)の3ランクに区分されました。A・Bランクは63円、Cランクは64円の引き上げが目安です。現在1000円未満の31県(最も低い秋田県951円など)も、この目安通りに引き上げられれば全て1000円台に到達します。東京と神奈川では1200円超となる見込みで、新たな最低賃金は10月以降に順次適用される予定です。
今回の最低賃金過去最大の引き上げは、全国の労働者の生活水準向上と消費活性化に貢献し、経済の好循環を促す重要な政策となります。