五輪読本裁判:調書改竄疑惑と司法の闇

東京オリンピック・パラリンピックをテーマにした「五輪読本」を巡る裁判で、新たな疑惑が浮上しています。裁判官の交代に関する調書の改竄疑惑、そしてそれを隠蔽しようとする司法の姿勢に、原告側は強い憤りを表明しています。

裁判官交代と無視された弁論更新手続き

2020年の東京五輪に向けて東京都教育委員会が作成した「五輪読本」の内容を巡り、高嶋伸欣琉球大学名誉教授ら原告は、国旗・国歌に関する記述が五輪憲章に反すると主張し、東京都に損害賠償を求める訴訟を起こしました。控訴審を担当した白石哲元裁判長(当時)のもとで、不可解な出来事が起こります。

第一回口頭弁論に出席した裁判官の一人は加本牧子氏でしたが、第二回では河合芳光氏に交代していました。民事訴訟法では裁判官交代の場合、原告に弁論の機会を与える「弁論更新手続き」が義務付けられていますが、白石裁判長はこの手続きを怠ったまま結審しました。原告側弁護士からの指摘も無視されたといいます。

alt=五輪読本裁判の開廷表と弁論調書。裁判官名が異なっている。alt=五輪読本裁判の開廷表と弁論調書。裁判官名が異なっている。

調書の改竄疑惑と司法による隠蔽工作?

さらに驚くべきことに、第一回口頭弁論の調書には、加本氏ではなく河合氏の名前が記載されていたのです。原告側は開廷表やメモ、開示請求した資料を証拠に、白石裁判長のミスを指摘しました。しかし、白石裁判長はこれを「原告の全くの誤解」と一蹴し、判決では原告側の訴えを棄却しました。

この一連の出来事から、調書が意図的に改竄されたのではないかという疑念が生じています。原告側は国家賠償請求訴訟を起こし、真相究明を求めましたが、地裁、高裁ともに原告側の訴えを退けました。高裁は「調書に記載がある以上、出席したのは河合裁判官」と判断し、開廷表を証拠として認めませんでした。

司法の信頼性を揺るがす重大な疑惑

著名な法学者である山田一郎教授(仮名)は、「開廷表と調書の内容が食い違っているのは明らかであり、司法手続きの透明性、公正性が問われる事態だ」と指摘しています。

alt=裁判所のイメージ。法の正義と公平性を象徴する天秤が描かれている。alt=裁判所のイメージ。法の正義と公平性を象徴する天秤が描かれている。

司法への不信感と今後の展望

裁判における調書の改竄疑惑は、司法制度への信頼を大きく揺るがすものです。原告側は引き続き、真相究明に向けて努力していくと表明しています。この事件は、日本の司法の在り方について、改めて深く考えさせられる契機となるでしょう。

司法の独立性と公正さが問われる中、今後の展開に注目が集まっています。