トランプ米政権は4日、合成麻薬フェンタニルの流入への対抗措置として、中国からの全輸入品に10%の追加関税を発動した。米メディアが報じた。中国側の反発は必至で、2018~19年に勃発した米中貿易戦争が再燃する可能性がある。
米国はトランプ1次政権時代に中国からの輸入品の9割に対し最大25%の制裁関税を課し、大半はバイデン前政権に引き継がれて現在も継続している。今後は10%の関税が上乗せされる。
トランプ氏は3日、「24時間以内」に中国側と関税問題で協議すると表明した。ロイター通信によると、習近平国家主席とも週内にトップ会談を開く見通し。フェンタニル流入阻止対策などで進展があれば、米国が関税を一時的に停止する可能性がある。
トランプ氏はメキシコ、カナダに対しても4日に関税を発動する予定だったが、直前になって国境警備の強化に進展があったとして発効を1カ月延期すると決めた。【ワシントン大久保渉】