運転免許の取得過程、4月改正
2025年4月から、運転免許の取得過程が変更される。これまで、MT(マニュアル・トランスミッション)免許を取得するには最初からMT車で教習を受ける必要があった。しかし、新しい制度では、まずAT(オートマチック・トランスミッション)車で基本的な運転技術を習得した後、MT車に乗り換えて教習を行う形式に変わる。
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そもそも、MT免許の意義とは何か、そしてこれからの時代にMT車がどのように位置づけられるべきかについて、慎重に考察する必要がある。
MT免許の実務と趣味的価値
かつて、普通免許といえばMT免許が一般的だった。しかし、AT車の普及にともない、「AT限定免許」の需要が高まり、その人気は増している。
ソニー損害保険(東京都大田区)は2025年1月7日、20歳のカーライフ意識調査の結果を発表した。この調査は2004年4月2日から2005年4月1日生まれの人々を対象に行われ、1000人から有効な回答を得た。調査結果によると、
・普通自動車免許を持っている(オートマ限定):40.6%
・普通自動車免許を持っている(マニュアル):12.9%
で、合計した運転免許保有率は53.5%となった。
また、「現在、教習所へ通っている(オートマ限定)」は3.4%、「現在、教習所へ通っている(マニュアル)」は1.8%、「時期は決まっていないが、取得予定」は23.1%で、合計した運転免許取得予定は28.3%だった。
免許の種類を男女別で見てみると、女性では「普通自動車免許(オートマ限定)」が46.4%と、男性(34.8%)よりも11.6ポイント高くなり、男性では「普通自動車免許(マニュアル)」が18.0%と、女性(7.8%)よりも10.2ポイント高い結果となった。
MT免許を取得する理由としては、いくつかの要素が挙げられる。まず、職業上の必要性だ。トラックや一部の業務用車両はMT車であることが多く、そのため運送業や特定の職種ではMT免許が必須となる場合がある。次に、車好きとしてのこだわりがある。スポーツカーや一部の商用車では、MT車特有の運転の楽しさがあり、趣味的な理由でMT免許を取得する人も少なくない。また、海外での運転を考慮した場合も理由の一つとなる。特に欧州ではMT車の割合が高いため、海外で運転する機会があれば、MT免許を取得することで選択肢が広がる。
今回の制度変更により、MT免許の取得は以前よりも少し面倒になるが、ハードルが下がる可能性もある。しかし、それが「MT免許の価値が高まる」ことを意味するのか、それとも「MT車がますます希少になる」ことを意味するのかは、慎重に見極める必要がある。