米価の高騰が続くなか、江藤拓農林水産相は7日、コメの円滑な流通に支障が生じているとして、備蓄米を放出する考えを表明した。来週にも政府が入札の数量や条件を発表する。実際に放出する時期は未定だが、江藤氏は「できるだけ早く実施する」と話した。
【画像】政府の倉庫に眠ったままの100万トン近くの備蓄米=農林水産省提供
2024年産の生産量が前年よりも18万トン多くなる見込みなのに対して、農協など主要な集荷業者が昨年末までに確保できた量は21万トン少ない。
農水省は、さらなる米価上昇を見込んで小規模業者が高値で買い集め、一部の農家も販売を遅らせている状況が続いていると判断。放出を決断した。
農水省はこれまで備蓄米を凶作時にしか放出しないことにしていたが、1月末に制度を改正。円滑な流通に支障が生じている場合にも放出できるようにしていた。(大日向寛文)
朝日新聞社