埼玉県八潮市で県道交差点が陥没し、転落したトラックの運転手が安否不明になっている事故で、下水道管内にあふれる水が本格的な救助活動の妨げになっている。県は流れる下水の量を減らそうと様々な策を講じているが、期待したほどの結果は得られていない。
【写真】陥没した穴の底に土のうを積み上げる作業が行われた=2025年2月6日午後4時7分、埼玉県八潮市、朝日新聞社ヘリから、菊池康全撮影
県は6日、陥没地点の手前で汚水を下流に逃がすバイパスの設置を進めた。事故現場の上流にあるマンホールで汚水をポンプでくみ上げ、地上の約700メートルの管を通して、下流のマンホールから流すものだ。ただ、流せる水の量は毎分4立方メートルと、下水道管を流れる水量の一部にとどまるという。
県は5日、ドローン調査で下水道管内(直径4・75メートル)にあるトラックの運転席部分とみられるものを発見。陥没現場の100~200メートル下流付近にあり、一部は水面から出ている状態だった。6日にも調査を続け、上流側ではがれきなどの堆積(たいせき)物が下水道管をふさぎ、すき間から汚水が噴出しているのも確認したという。
堆積物より上流の下水道管は汚水をで満たされており、破損箇所からは穴の中へあふれ出してもいるとみられる。汚水がたまっている影響で、下水道管内の硫化水素の濃度も高くなっている。県によると、速い水流や土砂、硫化水素の濃度の問題があり、人が近づける状況ではないという。
朝日新聞社